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病理学ノート03「外因」

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・外因の分類
栄養素の供給傷害
物理的、化学的、生物学的病因の作用
◎第1節◎ 栄養素の供給傷害
適度なカロリーをできるだけ多くの種類の食品から摂取することが望ましい
・カロリー接種過多が引き起こす疾病
肥満、動脈硬化症、脂肪肝、脂肪心
代謝異常(通風、糖尿病)
(1)飢餓
栄養素の供給が不足している状態
絶対飢餓、部分飢餓
①絶対飢餓
栄養素のすべてが不足している状態
・過程
貯蔵栄養素の消費
身体構成成分のタンパク質の消費
体重の減少
・脳だけは死を迎えるまで縮小を免れる
②部分飢餓
栄養素の一部に不足があること
・水の不足は最も重大
・水の供給があれば60日ぐらいは生きられる

(2)各栄養素の供給傷害
①タンパク質
・膠質滲透圧の低下
血漿タンパクのアルブミン減少
→膠質滲透圧低下
→浮腫
*タンパク質不足による膠質滲透圧の低下による浮腫
飢餓浮腫
・感染症に対する抵抗力の低下
・実質臓器の細胞萎縮、機能低下
・成長期においては発育不全
★タンパク質の過剰摂取は肥満につながる
②脂肪
・脂肪が溶媒となって働くビタミン
ADEK
・コレステロールが構成に関わる(素材となる)もの
細胞膜
ステロイドホルモン
・過剰摂取
動脈粥状硬化症(アテローム硬化症)
内臓への脂肪沈着
③炭水化物
・過剰摂取
脂肪として蓄積
肥満
・分解されてグルコースなどに
・食物繊維の働き(人類では消化できない)
排泄の促進
大腸癌の発生を抑える
④ビタミン
・水溶性、脂溶性ビタミンはそれぞれ何とともに吸収されるか
水溶性(BCP):水
脂溶性(ADEK):脂肪
★脂肪の吸収が妨げられると、脂溶性ビタミン欠乏
★胆汁酸や膵液の分泌不足によって脂肪の吸収が妨げられる
・ビタミンB群に属するもの
ビタミンB1、2、、6、12
ナイアシン、葉酸、パントテン酸
ア.ビタミン欠乏症
<それぞれのビタミンの欠乏症>
A 夜盲症、角膜乾燥症
B1 脚気
B2 口角炎、口内炎
B6 脂漏性皮膚炎、口内炎
B12 悪性貧血、舌炎
ナイアシン ペラグラ
葉酸 悪性貧血
ペントテン酸 易疲労性、頭痛
C 壊血症(成人)
メーレルバロー病(小児)
D 骨軟化症(成人)
くる病(小児)
E 貧血、出血傾向
K 血液凝固遅延
☆脂漏性皮膚炎
皮膚からの脂肪の分泌によって起こる失神

<ビタミンの物質名>
A アクセロフトール、レチノール
B1 チアミン
B2 リボフラビン
B6 ピリドキシン
B12 コバラミン
ナイアシン ニコチン酸
葉酸
C アスコルビン酸
D カルシフェロール
E トコフェロール
K フェロキノン
イ.ビタミン過剰症
・脂溶性ビタミンは体内に蓄積して過剰症を引き起こす
★脂溶性ビタミンは簡単に尿中に排泄されないため
<ビタミンの過剰症>
A 発育不全、骨吸収の促進(骨折の原因となる)、出血素因、爪の脆弱かなど
D 動脈、心筋、肺、腎尿細管などに石灰沈着
腎臓の障害→腎不全
★血中のカルシウム値の増加による
⑤無機物(ミネラル)
・無機物の例
ナトリウム、カリウム、カルシウム
マグネシウム、鉄、銅、コバルト
・無機物は塩化物、炭酸化物、リン酸化物、タンパク質などの結合体として存在
・日本人に最も不足している無機物
カルシウム
・ナトリウムの働き
組織液、血液の浸透圧の調節(NaClの形で細胞外液に大量に存在)
・ナトリウムの過剰摂取によって引き起こされる疾患
高血圧、動脈硬化症
・ナトリウムの欠乏によって、何の代謝が妨げられるか

・カリウムの働き
細胞の生理機能と関連(細胞内に多く存在)
・低カリウム血症が引き起こす疾患
急性心停止
・カルシウムの欠乏によって引き起こされる疾患
骨や歯の発育不全
骨粗鬆症
・カルシウムが大量に不足したときに起こる疾患
テタニー
・鉄の不足によって引き起こされる疾患
貧血
・鉄の過剰摂取によって引き起こされる疾患
全身性色素症(ヘモクロマトーシス)
血鉄症(細網内皮系へのヘモジデリン沈着症)
肝不全、心不全
・銅の代謝異常によって引き起こされる疾患
ウィルソン病
・ウィルソン病ではどこに銅が沈着するか
脳、肝臓
・ウィルソン病が引き起こす症状
肝硬変
錐体外路系の障害
⑥水
・脱水症を引き起こすこと
激しい下痢や多尿
急激な腹水の貯溜
激しい発汗
広範囲の焼けど
頻回の嘔吐
・脱水症の症状
体重減少
乏尿
血清ナトリウム値の上昇→細胞内液減少
・体内に多量の水分が蓄積された状態
水中毒
・水中毒を引き起こすこと
輸液などによる水分の過剰供給
腎不全
手術後で水分排泄に障害があるときなど
・水中毒によって引き起こされること
血漿浸透圧の低下
低ナトリウム血症
ヘモグロビン、血漿タンパクの低下
・水中毒の症状
吐き気
脱力、痙攣
錯乱、昏睡などに陥る場合もある
⑦酸素
・酸素の供給が妨げられた状態を窒息という
・窒息の種類
外窒息
内窒息
・外窒息:空気や呼吸器の異常によって起こる
・内窒息:呼吸酵素の異常によって起こる
☆呼吸酵素
ミトコンドリア内で好気呼吸に働く酵素
・窒息の症状
局所的:細胞の変成や壊死
全身的:死をまねく
・酸素欠乏を最も受けやすい臓器は脳である
・酸素の供給過剰
→呼吸が緩やかになりやがて停止する
・純酸素吸入によって引き起こされる症状
肺機能の低下、肺出血
骨格筋、心筋などの障害
・哺育器内の未熟児に高濃度の酸素を長時間与えることによって引き起こされる疾患
未熟児網膜症(失明することも)

◎第2節◎ 物理的病因作用
・物理的病因の例
外力、熱、電流、光線
放射線、音波、気圧、気候
(1)機械的病因作用
①局所作用
外傷:外力によって組織破壊を起こしたもの
・創傷
皮膚表面に損傷がみられるもの
例)切創、刺創、擦過傷、裂傷、銃創、咬創
・挫傷
打撲、衝突など、鈍性の外力によって、皮下組織あるいは深部の組織が損傷されたもの
例)打ち身、捻挫、骨折、脱臼
・脳振盪
強い外力が脳に作用したため、脳挫傷にまではいたっていないが、失神や嘔吐などの症状を表すこと
・その他機械的刺激が長時間作用することによって起こる障害
褥瘡、タコ、魚目、白蝋病
☆褥瘡:とこずれ
☆白蝋病:チェーンソーなどの細かい振動を手に受け続けることによって、指先が白くなること
②全身作用
・外力が全身的に作用することで起こるもの
乗物酔い、ショック
・局所作用に続発する変化
*開放創傷に伴うもの
空気塞栓症、
*骨折や脂肪組織の挫滅に伴うもの
脂肪塞栓症
☆塞栓症:血管に何かがつまること

(2)温度的病因作用
①高温の病因作用
ア.局所作用
生体の一部が高温に触れたとき、その局所に起こる組織編制を火傷という
・火傷の程度による分類
*第1度(紅斑性)火傷
皮膚血管の麻痺性拡張により、局所は発赤腫脹する
*第2度(水疱性)火傷
血管壁の透過性が亢進し、表皮の下に漿液が滲出して水疱をつくる
*第3度(焼痂皮性)火傷
熱凝固及び血管損傷により組織壊死を起こし、焼痂皮を作る
治療後も皮膚に瘢痕を残すことが多い
*第4度(炭化性)火傷
組織は燃焼して炭化する
多くは焼死者に見られる
・低温火傷
45~50度の低温が長時間作用し続けた場合に起こる火傷
イ.全身作用
・熱射病
高温多湿の環境下で長時間作業を続けることで、熱放散が妨げられ、体温が上昇する
頭痛、めまい、意識混濁などを起こす
・日射病
長時間直射日光にさらされることによって、熱射病と同様の現象が起こること
・日射病と熱射病を合わせて病という
・火傷が体表の20%以上に及ぶと死をまねく
死にいたる原因=全身合併症
*ショックによる循環障害
*蛋白分解による自家中毒
☆タンパク質の分解の結果出てくる物質が毒性を持っている場合がある
*上記のことに続く重篤な感染症
②低音の病因作用
ア.局所作用
・凍傷
生体の一部が低音にさらされることによって、その局所に起こる組織編制
・凍傷の程度による分類
*第1度(紅斑性)凍傷
低音かで血管は収縮するがやがて拡張。血流は停滞し局所に紫藍色となる
*第2度(水疱性)凍傷
血管壁の透過性が高まり、表皮の下に漿液が滲出して水疱を作る
*第3度(壊疽性)凍傷
局所の血行は停止し、組織は暗褐色の壊死におちいり、脱落して潰瘍を作る
☆第4度:凍結、を加えることもある
イ.全身作用
凍死が起こる体温=25度以下
心肺活動低下
→酸素欠乏
→意識喪失
→凍死

(3)電流の病因作用
・感電:生体を電流がこと
・電撃:落雷のように強い電源から放電を受けること
・直流よりも交流の方が生体への影響が大きい
・家庭用の100Vであっても感電死する
①局所作用
・長時間直流電流を皮膚に流すと、皮膚が変色し、触覚や痛覚が脱失する
→電気分解による障害
・放電によって残る障害
火傷、電撃斑
・電撃斑
血管運動神経の反応
稲妻型または樹枝状の少し隆起した赤い線状斑
②全身作用
・強い電流が全身を流れたときに激痛を感じる原因
全身の筋肉が一度に収縮するため
・電流が流れると感電死を引き起こす臓器
脳幹:呼吸麻痺
心臓:心停止

(4)光線の病因作用
・太陽光線の分類(波長の長い順に)
赤外線、可視光線、紫外線
病因作用が最も強いのは紫外線
①紫外線の作用
・高度の紫外線照射による症状
不快感、悪心、全身虚脱
・紫外線照射によって皮膚に現れる症状
紅斑、水疱形成、色素沈着(=日焼け)
・紫外線が細胞に与える作用
表皮細胞のDNAに軽度の障害を与える
・通常正常な修復機構により回復するはずのDNA障害が、修復されずに皮膚癌へと移行することのある疾患
色素性乾皮症
・紫外線の眼に対する作用
角膜や結膜の炎症
・紫外線によって引き起こされる目の炎症を
電離性眼炎(雪眼炎)
・紫外線の不足によって欠乏するビタミン
ビタミンD
・ビタミンD不足によって引き起こされる疾病
くる病、骨軟化症
(2)赤外線の作用
・赤外線の長時間大量照射によって皮膚に引き起こされる症状
火傷に似た病変(発赤、水胞、壊死)
・赤外線の長時間大量照射によって眼に引き起こされる症状
白内障を起こすことも
・赤外線を用いた温度計測器
赤外線サーモグラフィー

(5)放射線の原因作用
・放射線の分類
電磁放射線:X線、γ線
粒子放射線:α線、β線、電子線、中性子線
・放射線が強く作用する細胞の特徴
未分化で増殖力の盛んな細胞(組織)
・放射線が強く作用する細胞の例
骨髄の造血細胞
リンパ節
清掃や卵巣の性細胞
消化管の粘膜上皮
悪性腫瘍の細胞
・放射線が作用しにくい組織、臓器
神経系、腎臓、肝臓、筋肉
・放射線が作用した結果引き起こされる症状
貧血
免疫不全
生殖障害
皮膚炎
悪性腫瘍の発生
・骨髄が破壊されることによる貧血を
再生不良性貧血
・リンパ系組織が破壊されることによって引き起こされる疾患
リンパ球減少症
顆粒球減少症
(感染症への抵抗力が低下)
・生殖細胞の傷害によって引き起こされること
不妊、奇形
・放射線による皮膚炎の症状
脱毛、水疱形成、潰瘍
・少量の放射線が反復して作用したときに起こりやすい疾患
慢性皮膚炎
・慢性皮膚縁の症状
表皮の増殖、亀裂、湿疹
(皮膚癌の発生をみることも)
・放射線によって起こりやすい悪性腫瘍
白血病、悪性リンパ腫

(6)音波の病因作用
・騒音環境に長時間去らされることで起こる疾患
軟調、鼓膜が破れる

(7)気圧の病因作用
1気圧=1013ミリバール=1013ヘクトパスカル
10メートルで1気圧上昇
①高い気圧の病因作用
・人体が耐えられる気圧:7気圧
・潜水者が急に浮上した時の急激な減圧によって引き起こされる疾患
潜函病
・潜函病の別名
ケイソン病、潜水夫病
・潜函病の機序
高圧下で血中や組織中に溶解した窒素が急激な減圧によって体内で気泡となり、これが血管を閉塞する
・潜函病で窒素の気泡が脂肪組織を破壊することで起こる症状
脂肪塞栓
・潜函病の症状
頭痛、めまい、関節痛、呼吸困難、皮膚掻痒感、灼熱感
激しい場合は死亡
②低い気圧の病因作用
・低気圧下では酸素欠乏が起こる
・低い気圧によって引き起こされる疾患
高山病(山岳病、航空機病)
・一般に高山病が現れ始める標高
3000メートル
・高山病の症状
めまい、頭痛
呼吸数や脈拍数の増加
反射機能の低下、思考力減退
筋力低下など

(8)気候の病因作用
・気候に関係する疾病の分類
気象病
季節病
ア.気象病
・気象病とは
急激な気温の変化によって悪化する疾病
(前線の通過やフェーン現象)
・気象病の例
関節リウマチ
神経痛
心臓循環器系の障害
気管支喘息
自律神経失徴症
イ.季節病
・冬の気切病
流行性感冒
気管支炎などの呼吸器疾患
・夏の気切病
食中毒
急性胃腸炎のような消化器疾患
光化学スモッグによる障害

◎第3節◎ 化学的病因作用
・毒物とは
組織へ化学的に作用して傷害を与える物質
1)毒物の種類
・化学薬品
酸、アルカリ、ベンゼン、シアンなど
・金属
水銀、カドミウム、鉛など
・植物毒
モルヒネ、ニコチン、カフェイン、キノコ毒など
・動物毒
蛇毒、昆虫毒、フグ毒など
・細菌毒
細菌毒素、プトマインなど
・カビ毒
アフラトキシン、マイコトキシンなど
・異常代謝産物の例
アセト酢酸、アセトンなど

2)毒物の作用機序
①たんぱく質の凝固
強い酸(塩酸、硫酸)、昇汞
②細胞のたんぱく質を溶解
強いアルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)
③脂質の溶解
有機溶媒(アルコール、四塩化炭素)
④酵素作用の傷害
青酸(呼吸酵素の傷害によって内窒息を引き起こす)
⑤遺伝子に作用して突然変異を引き起こす
クロム
アフラトキシン
⑥蓄積作用

3)毒物による障害
・毒物による障害の分類
毒物の接触した局所に起こる障害
血液中に入った毒物による全身への障害
(1)摂食による障害
・酸やアルカリの溶液の作用
皮膚、消化管粘膜細胞の破壊
・気道や眼球粘膜に摂食してその粘液に溶けて障害を起こす物質
塩素ガス
亜硫酸ガス
ホルマリン
・自動車の排気ガスに含まれる物質で紫外線の作用を受けて過酸化窒素やオゾンを発生させるもの
窒素化合物
・過酸化窒素は何の成分となるか
光化学スモッグ
・過酸化窒素、オゾンの作用
気管や眼球粘膜を刺激

(2)中毒
毒物が血液中に入って、選択的に親和性の高い組織や臓器を傷害すること
①外来性毒物による中毒
・外来性毒物の例
毒物に汚染された生活環境、職場、
防腐剤や着色料を含む食品
各種の薬物など
・毒物が体に入る経路
経口的
経皮的
経気道的
ア.気体として体内に入るもの
a.一酸化炭素(CO)
物が不完全燃焼するときに発声
ヘモグロビンへの親和力が酸素の200倍以上(少量でも酸素からヘモグロビンを奪う)
・症状
酸素欠乏による筋麻痺、意識障害
・内窒息を起こして死にいたる濃度
0.15~0.2%
b.青酸(HCN)
・青酸の種類
青酸カリ
青酸ソーダ
・作用
飲むと胃酸の作用で青酸ガスが発生
→細胞の呼吸酵素を破壊
→内窒息
c.毒ガス
・毒ガスの種類
イペリット(マスタードガス)
ホスゲン
サリン
★サリンは有機リンと同様、アセチルコリン分解酵素を阻害
d.その他
・その他の毒物
ベンゼン(白血病など)
ベンゾール
二酸化炭素
過酸化窒素
(中枢神経や骨髄を侵す)

イ.粉塵として体内に入るもの
・粉塵毒物の及ぼす影響
肺や肺門リンパ節の炎症
気道粘膜上皮細胞の譫妄運動障害
粘液産生の亢進
扁平上皮化生
線維症
☆扁平上皮化生:円柱上皮や繊毛上皮が刺激によって性質を変え、扁平上皮になること
☆線維症:臓器に線維成分が増加することで、それが臓器の広範に見られるもの
・粉塵毒物の吸引によって引き起こされる症状
呼吸障害、二次感染(結核など)、肺癌
・粉塵毒物の例
珪酸
石綿
煙草の煙
・珪酸による疾病
珪肺症
・石綿による疾病
アスベスト症、肺癌
・たばこの煙に含まれるもの
一酸化炭素、ニコチン
その他多くの化学物質

ウ.液体として体内に入るもの
・液体として体内に入る毒物の例
エチルアルコール
メチルアルコール
・エチルアルコールの急性中毒
中枢神経傷害
・エチルアルコールの慢性中毒
肝臓の脂肪変性(脂肪肝)、肝硬変
多発性神経炎
・メチルアルコールは体内で何に分解されるか
ホルムアルデヒド
・ホルムアルデヒドの引き起こす症状
神経細胞の傷害

エ.重金属などによる中毒
・重金属の例
水銀
カドミウム

クロム
ヒ素
リン
内分泌撹乱化学物質
a.水銀
・無機水銀を大量に含んだ消毒液
昇こう水
・無機水銀の誤飲による症状
胃の粘膜の凝固壊死
無尿から尿毒症を起こす(尿細管がつまる)
・有機水銀による公害病
水俣病
・水俣病の症状
中枢神経系の重篤な器質的障害による
痺れ、言語障害、難聴、性心疾患、死亡
・水俣病の原因となった汚染物質
メチル水銀
・水俣病に罹患する経路
汚染された海の魚介類を接種することによって
b.カドミウム(Cd)
・カドミウムによって障害される臓器
腎尿細管
・腎尿細管の傷害によって再吸収が阻害される物質
カルシウム、リン
(骨が弱くなる)
・カドミウムの汚染によって引き起こされた公害
イタイイタイ病
c.鉛(Pb)
・鉛中毒の特徴
慢性中毒が主
・鉛中毒の症状(重要)
消化器症状
末梢神経炎(特に橈骨神経麻痺)
頭痛、不眠など
食欲不振、鉛疝痛
貧血、徐脈
d.クロム(Cr)
・最も有名なクロム中毒を引き起こすクロムの種類
六価クロム
・クロム中毒の急性症状
肺、腎臓、肝臓障害
・クロム中毒の慢性症状
肺癌、
鼻中隔穿孔
皮膚炎(アレルギー)
e.ヒ素(As)
・ヒ素中毒の急性症状
腹痛、嘔吐、下痢
末梢神経炎
皮膚炎
肺水腫
・ヒ素中毒の慢性症状
黒皮症、皮膚癌、脱毛
消化器症状、知覚異常、脱力
肝臓、循環器の異常→溶血性黄疸
・ヒ素ミルク事件
f.リン
・有機リンを含むもの
殺虫剤
・有機リンの作用
コリンエステラーゼの働きの阻害
・症状
頭痛、めまい、吐き気
全身倦怠感、腹痛、下痢、
歩行困難、意識障害
g.内分泌撹乱化学物質
・内分泌撹乱化学物質の別名
環境ホルモン
・内分泌撹乱化学物質の例
DDT、ダイオキシン
ポリ塩化ビフェニール
・これらの内分泌撹乱化学物質の作用が類似するホルモン
エストロゲン
アンドロゲン
・内分泌撹乱化学物質による症状
生殖機能異常
悪性腫瘍
奇形

オ.動植物が作る毒物による中毒
・かび毒の例
アフラトキシン
・キノコ毒の例
ファロイジン
・植物毒の例
サポニン
・フグ毒
テトロドトキシン
☆筋の活動電位が発生しなくなり、呼吸困難などを引き起こす
・その他の毒
ヘビ毒、蜂毒、クラゲ毒、
(中毒、発癌物質として働く)

②自家中毒
・自家中毒とは
自己の体内で発生した有毒物質によって起こる中毒
ア.腸管内異常発酵による自家中毒
・原因
便の長時間の停滞
腐敗作用の進行
→有毒な分解産物の血液への流入
・症状
腹痛、嘔吐、頭痛、めまい、昏睡、心臓機能の異常
イ.中間代謝産物による自家中毒
・原因
糖尿病などの代謝性疾患
・糖尿病で発生する中間代謝産物
ケトン体
ウ.物質代謝の終産物による自家中毒
・種類
尿毒症
胆血症(胆毒症)
妊娠中毒
・尿毒症の原因
腎障害
・胆血症の原因
溶血の促進、肝機能障害、胆道疾患
(胆汁成分が血液中に流入)
・妊娠中毒の原因
妊娠毒
・妊娠中毒症の主な症状
高血圧、浮腫、タンパク尿
・妊娠初期の妊娠中毒
妊娠悪阻(つわり)
・妊娠末期に起こる妊娠中毒
妊娠腎、子癇
・子癇とは
妊娠末期から出産直後にかけて発作的に起こる間代性全身痙攣
・子癇の症状
口から泡をふき、人事不省におちいる

◎第4節◎ 生物学的病因作用
・生体に疾患を起こさせる生物を2つに大別
小寄生体(微生物、病原体)
大寄生体(寄生虫など)
■1)小寄生体
・小寄生体の分類
ウィルス
分裂菌(広義の細菌)
真菌
原虫
1)病原体と疾病
・最も小さい病原体は
ウィルス(電子顕微鏡で観察)
(1)ウィルス
・ウィルスのもつ核酸
DNAまたはRNAのいずれか片方
・ウィルスの増殖の特徴
生きた細胞内でなければ増殖できない
・DNAのみを持っているウィルス(DNAウィルス)による疾患
痘瘡(天然痘)、水痘(水疱瘡)、
帯状疱疹、B型肝炎など
☆帯状疱疹:小児期に感染した水痘のウィルスが長期間潜伏し発症したもの、比較的高齢者に多い
・RNAのみをもっているウィルス(RNAウィルス)による疾患
麻疹、インフルエンザ、流行性耳下腺炎
日本脳炎、急性脊髄前角炎(ポリオ)、成人T細胞白血病
後天性免疫不全症候群(エイズ:AIDS)
A型肝炎、C型肝炎
狂犬病、エボラ出血熱など
(2)分裂菌(広義の細菌)
・分裂菌の種類
クラミジア
リケッチア
狭義の細菌
・狭義の細菌に含まれるもの
カンピロバクター
スピロヘータ
・狭義の細菌の形状による分類
球菌、杆菌、ラセン菌
①クラミジア
・ウィルスとの類似点
生きた細胞内でしか生きられない
(サイズが大きい、核酸にDNA、RNAの療法を持つ点で異なる)
・クラミジアによる主な疾病
トラコーマ
封入体結膜炎
オウム病
鼠径リンパ肉芽腫症(第四性病)

②リケッチア
・光学顕微鏡で観察可能
・生きた細胞の中でなければ増殖できない
・何を介して人間に感染するか
シラミ、ダニ、ノミ
・感染したときの症状
発疹をともなう熱性疾患
・主な疾病
発疹チフス
発疹熱
恙虫病
ロッキー山紅斑病
Q熱
五日熱
③細菌(狭義の細菌)
・細菌の分類
球菌
杆菌
ラセン菌
ア.球菌
・球菌の結合状態による分類
連鎖球菌
ブドウ球菌
双球菌
・連鎖球菌による疾患の例
猩紅熱
糸球体腎炎
・ブドウ球菌
傷口の膿瘍
食中毒の一部
トビヒ
・双球菌の例
線維素性肺炎
淋疾
イ.杆菌
・杆菌による疾患の例
ジフテリア
ガス壊疽
破傷風
百日咳
ペスト
腸チフス
パラチフス
赤痢
結核症
ハンセン病
コレラ
ウ.ラセン菌
・ラセン菌の例
スピロヘータ
カンピロバクター
・スピロヘータによる疾患
梅毒
回帰熱
ワイル病
鼡咬症
・カンピロバクターによる疾患
腸炎
髄膜炎
(3)真菌
・真菌の産生する毒素の例
アフラトキシン
マイコトキシン
・一般によく見られる真菌による症状
皮膚真菌症
・抵抗力低下児、抗生物質多量投与字などに起こる、真菌による症状
内臓真菌症
・皮膚真菌症の例
水虫、タムシ
白癬
・内臓真菌症の例
放線菌症
カンジダ症
クリプトコッカス症
アスペルギルス症
(4)原虫
・単細胞動物
・何を介して人間に感染するか
蚊、ハエ
・原虫による疾患の例
アメーバ赤痢
マラリア
腟炎
水頭症
・腟炎の原因原虫
腟トリコモナス
・水頭症の原因原虫
トキソプラズマ

2)病原微生物の病因作用
(1)感染と発病
病原体に感染しても生体の抵抗力によって病原体が死滅した場合を不顕性感染または無症候感染という
不顕性感染でも抗体は作られる
①病原体の毒素
・細菌が作りだす毒素の分類
菌体外毒素(エクソトキシン)
菌体内毒素(エンドトキシン)
(菌体外毒素の方が一般に毒性が強い)
ア.菌体外毒素
・代謝産物として菌体外毒素を産生する菌(重要)
破傷風菌
クラミジア菌
コレラ菌
ボツリヌス菌
ガス壊疽菌
(ぼくはこれがすき)
・菌は局所にしか存在しないが、毒素は全身に広がり、親和性のある組織を傷害する
ア.菌体内毒素
・aであげた細菌以外のほとんどの細菌がもつ(リポ多糖体として存在)
・菌体内毒素は菌が破壊されたとき放出される

②生体の抵抗力
ア.病原体侵入門戸での防衛
・皮膚の働き
物理的障壁
分泌物中には殺菌力のある脂肪酸を含む
・気道の働き
繊毛による異物の排除
分泌物中には抗微生物性の液体因子を含む
・気道から分泌される抗微生物性の液体因子
リゾチーム
ラクトフェリン
・胃の働き
胃酸による殺菌作用
イ.血液による防衛
・防衛作用のある血液成分
白血球、リンパ球、抗体
ウ.内分泌系の作用
・感染のストレスによって分泌が盛んになるホルモン
副腎皮質ホルモン
・副腎皮質ホルモンの作用
肝臓の解毒作用、白血球の貪食作用の亢進
エ.免疫系の作用
・免疫系の作用とは
病原体に対する抗体産生による、抗原抗体反応

(2)日和見感染
・日和見感染とは
生体の抵抗力が著しく衰えたときに、感染力の弱い病原体の感染を受けること
・日和見感染を起こす感染力の弱い病原体の例
黄色ブドウ球菌
緑膿菌
各種の真菌・原虫
・日和見感染を起こしやすい時
放射線治療
抗がん剤の使用
悪性腫瘍の増殖
外科手術
菌交代現象
未熟児や老人
・菌交代反応とは
気道や腸管内に常在する非病原性、弱病原性の微生物による勢力バランスが崩れること
・菌抗体現象の原因
抗生物質の投与など

■2)大寄生体
1)大寄生体と疾病
(1)蠕形動物
・蠕形動物の分類
扁形動物
線形動物(ミミズのような形)
・扁形動物の分類
条虫類(さなだ虫)
吸虫類
・扁形動物、線形動物のうち、一般に中間宿主を持たないのは
線形動物
・条虫類に含まれる寄生虫とその中間宿主(中間宿主は重要でない)
広節裂頭条虫 剣ミジンコ
有鉤条虫 豚
無鉤条虫 牛
・条虫類の寄生部位(重要でない)
小腸
・吸虫類に含まれる寄生虫とその中間宿主、寄生部位(中間宿主、寄生部位は重要でない)
日本住血吸虫 淡水の巻き貝 門脈
肝吸虫 豆タニシ、淡水魚 胆管
肺吸虫 淡水のカニ 肺
・線形動物に含まれる寄生虫とその寄生部位(寄生部位は重要でない)
回虫 小腸
蟯虫 小腸下部、結腸、直腸
ズビニ鉤虫 十二指腸、空腸、リンパ管
バンクロフト 同上
糸状虫 同上

(2)節足動物
①.昆虫類
・病気を媒介する昆虫とその媒介する病気
ノミ ペスト
シラミ 発疹チフス、発疹熱
蚊 日本脳炎、マラリア
②蜘蛛類
・病気を媒介する蜘蛛類
恙虫(毛ダニ)
疥癬虫
家ダニ

2)大寄生体の病因作用
・大寄生体の病因作用5つ
栄養障害
催炎作用
中毒作用
機械的作用
組織の反応
・栄王障害とは
消化管や血液中から栄養を奪う
・機械的作用の例
腸管の穿孔
胆管、血管、リンパ管などの閉塞
臓器の圧迫
・組織反応とは
組織破壊に対する修復、再生
線維症、肉芽腫、、アレルギー反応など

(付録)プリオン
・プリオンの特徴
体内に存在する糖蛋白の一種
異常蛋白化することでほかのプリオンも変化させる
・プリオン病の組織学的特徴
中枢神経系に見られる
炎症反応がない
プリオン沈着
脳が高度に萎縮し海綿状になる
・人のプリオン病の種類
感染性プリオン病
散発性プリオン病
遺伝性プリオン病
・感染性プリオン病の例
クロイツフェルトヤコブ病(成長ホルモン製剤や脳硬膜移植などによる)
クールー病など
・散発性プリオン病の例
クロイツフェルトヤコブ病(原因不明)
(多くのプリオン病がこれにあたる)
・牛のプリオン病
狂牛病(牛海綿状脳症、BSE)
・羊のプリオン病
スクレピー

◎ 第5節◎ 加齢と老化
■1)加齢と老化の意義
・老化とは
生まれてから成長し死にいたるまでの間に生理的機能が衰えていく過程
■2)老化の特徴
・老化の内容
組織・臓器の機能の低下
予備力の低下
代謝機能の低下
免疫機能の低下
・老化によって臓器に沈着がみられる色素
リポフスチン
・老化による臓器の変化
重量の減少
機能低下
・脳の萎縮
・動脈硬化
・Na+、K+は老化の影響を受けにくい

■3)老化と疾病
・老化にかかわりの深い疾患
脳血管障害(脳出血、脳梗塞)
虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)
高血圧症
・老化にかかわりの深い疾患で局所的なもの
腎障害
悪性腫瘍
骨や間接の疾患
前立腺肥大
白内障、難聴など





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