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リハビリ医学ノート00「リハビリ医学ノート」

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リハビリ医学ノート全文

1.リハビリテーション医学の理念と方法
1)リハビリテーションの概念
(1)定義
①リハビリテーション
・人間らしく生きるための権利の復活。
・障害を持つ人々の機能障害および環境面の制約に対応して、
・身体、精神、社会、職業、趣味、教育の諸側面の潜在能力を
 十分に発揮させること(リハビリテーション医学の立場)。
・REHABILITAREとは再び人間にふさわしい状態に戻す。
②全人的アプローチ
・身体、精神のみならず社会と生活の視点でより質の高い生活が
 送れるようにする上で必要である。
(2)ノーマライゼーション(normalization)
・障害者を特別扱いするのではなく、通常の人々とともに
 一般社会で生活できるようにすること。
・国際障害者年の目標である「完全参加と平等」と相通じるもの。

2)リハビリ医学
(1)医学の体系
①保健医学(第1の医学)
②予防医学(第2の医学)
③治療医学(第③の医学)
④リハビリテーション医学(第4の医学)
(2)沿革
①世界の流れ
・18世紀:視覚障害者の訓練所、その後、肢体不自由児に対する
 教育、収容施設を設置。
・20世紀初め:第一次世界大戦の勃発や、ポリオが流行し、
 多くの傷病者や障害者が生じた。
・1940年代:第二次世界大戦中に米国の空軍軍医◎ラスクが
 傷病兵に対して回復訓練をおこなった。
②我が国の流れ
・1874年国立東京盲学校設立。
・1921年身体障害者施設の柏学園設立。
・1938年厚生省が設立され、傷病軍人に対するリハビリが行われた。
(3)リハビリテーション医学の対象
・障害もしくは、障害者
①身体障害
・肢体不自由、内部障害、視覚障害、聴覚言語障害が含まれる。
・内部障害には、呼吸器障害、心機能障害、腎障害、
 膀胱直腸障害、小腸障害が含まれる。
②精神障害
・精神発達遅滞、精神疾患、癲癇が含まれる。
③対象疾患
・脳卒中、脳外傷、脊髄損傷、切断、リウマチ骨関節疾患、
 脳性麻痺、神経筋疾患、循環器疾患、呼吸器疾患など。
※言語中枢は左にあり、ブローカ野障害は運動性失語症
 ウェルニッケ野障害は感覚性失語症となる。

4)リハビリテーション医学の構造
(1)障害とは
・身体的または、精神的原因により長期間、社会生活や日常生活が
 困難な状態をいう。
(2)WHOによる障害概念の変遷
①国際障害分類(ICIDH)
・1980年にWHOに採択されたものには、機能障害、
 能力障害、社会的不利がある。
②国際生活機能分類(ICF)(重要)
・2001年に採択された。
(3)体験としての障害
・患者本人の主観的な心の世界のことをいう。
①障害の類似体験
・車椅子乗車、介助体験
・松葉杖、各種杖の使用体験
・視覚障害者の体験
(4)リハビリテーション医学の分野(重要)
①医学的リハビリテーション
②教育的リハビリテーション
③職業的リハビリテーション
④社会的リハビリテーション

5)地域ケアーとリハビリテーション
(1)地域リハビリテーションの定義
・障害を持つものが自分の住む地域で家族や地域住民とともに
 安全で質の高い生活を営むためのさまざまなサービスを
 受けることができること。そして、それを支えるさまざまな
 システムや社会的資源の利用を含む活動のこと。
(2)地域リハビリテーションとネットワーク
・障害者のニーズに応じて、効果的なサービスを受けられるように、
 また地域に必要なサービスの開発を促進することを含めて
 調整すること(ケアマネージメント)が必要。

2.医学的リハビリテーションの概要
1)リハビリテーション医療の概念
(1)リハビリテーションと医療の統合
・リハビリテーションは、以前は後療法とも言われていた。
・キュアよりケアの重要性が増してきた。
・キュアとは、治療のこと。
・早期からリハビリを行うことが有効であると証明された。
・リハビリは適応を広め健康全体を含めて考えるようになってきた。
(2)医療各々リハビリテーション
①予防的リハビリテーション
②急性期リハビリテーション
・廃用性症候群(褥瘡)の予防はここに入る。
③回復期リハビリテーション
④維持期リハビリテーション

2)リハビリテーションチーム
(1)チームアプローチの必要性
①認識機能
・リハビリテーションチームとしてまとまった意識をもつ。
②ゴール(目標)の設定
③協業によるプログラムの遂行
(2)チームの構成メンバー
・医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚療法士、看護師、
 ソーシャルワーカー、教師、ボランティアなど。
・その他、臨床心理士、義肢装具士、視能訓練士、運動指導員、
 保健師、介護福祉士、社会福祉士、ケアマネージャーなど。

3.医学的リハビリテーションの方法
(1)医学的リハビリテーションの流れ
①評価会議とゴールの設定
・リハビリスタッフは、それぞれの評価の結果を持ち寄り、
 評価会議を行い、治療方針とゴールを設定する。
②治療プログラムの作成と再評価
・治療方針に従い、チームの各専門職(チームスタッフ)が
 治療プラグラムを作成する。
・評価会議は、定期的に開き治療の進行ととともに再評価を行い、
 必要に応じて治療方針とゴールを修正。
(2)アフターケアー(あんまり重要でない)
・慢性期に入ると訓練だけでなく、規則正しい病棟生活、
 家庭や社会との接触、障害受容などへの援助、健康教育などを
 推し進める必要がある。
・家庭復帰後にも定期的な通院訓練、健康と機能のチェックが必要。

4.小児、成人、老人における障害の特徴
(1)小児
①問題点
・小児は運動機能、社会性などが発達途上であり、
 種々の障害が生じる可能性がある。
・脳損傷などは、運動と機能発達など広汎な障害を起こす。
・小児のリハビでは、運動・知能のバランスの良い発達を
 学習しうる環境に加え、治療・教育が必要。
②身体障害児の数
・H13年現在で81900人、肢体不自由児が一番多い。
③対象疾患
・脳性麻痺、進行性筋ジストロフィー、二分脊椎、
 切断、側弯症、外傷、関節リウマチなど。
(2)成人
①問題点
・経済面、生活習慣病を合併している場合が多く、阻害要因となる。
②身体障害者の数
・H13年現在で、3245000人
③対象疾患
・脳血管障害、脊髄損傷、骨関節疾患、切断、内部障害など
(3)老人
①問題点
・障害老人の家庭へ受け入れが困難である。
・認知症の増加、施設の不足、医療費の増加などがある。

3.障害の評価(重要)
1)機能・形態障害の評価
(1)長さと周径
①四肢長
・上肢長は肩峰から橈骨茎状突起。
・上腕長は肩峰から上腕骨外側上顆。
・前腕長は上腕骨外側上顆から橈骨茎状突起。
・下肢長は上前腸骨棘から脛骨内果(SMD、棘果長)。
・TMD(転子果長)は大転子から腓骨外果。
・大腿長は上前腸骨棘から膝関節外側裂隙。
・下腿長は膝関節外側裂隙から腓骨外果。
②周径
・上腕周径、前腕周径、下腿周径は最大部。
・大腿周径は膝蓋骨上端から10㎝(小児は5㎝)。
(2)関節の動きと動作(重要)
①各関節のROM
・肩関節可動域
 屈曲180度、伸展50度、外転180度、内転0度、
 外旋60度、内旋80度、水平屈曲135度、水平伸展30度
・肘関節可動域
 屈曲145度、伸展5度
・手関節可動域
 屈曲90度、伸展70度、橈屈25度、尺屈55度
・股関節の可動域
 屈曲125度、伸展15度、外転45度、内転20度、内外旋45度
・膝関節可動域
 屈曲130度、伸展0度。
・足関節可動域
 底屈45度、背屈20度、外返し20度、内返し30度、
 外転10度、内転20度。
・頚関節可動域
 屈曲60度、伸展50度、回旋60度、側屈50度
②MMT(徒手筋力検査)(ダニエル法)
・筋力Ⅴ(正常、N、100%)
 強い抵抗に打ち勝って、ROMいっぱいまで動かすことができる。
・筋力Ⅳ(優、G、75%)
 弱い抵抗に打ち勝って、ROMいっぱいまで動かすことができる。
・筋力Ⅲ(良、F、50%)
 重力に打ち勝って、ROMいっぱいまで動かすことができる。
・筋力Ⅱ(可、P、25%)
 重力を取り除けば、ROMいっぱいまで動かすことができる。
・筋力Ⅰ(不可、T、10%)
 関節の自動運動はできないが、筋の収縮は触知できる。
・筋力0(零、Z、0%)
 筋の収縮も触知できない。
※正常、優、良、可、不可、零
※N、G、F、P、T、Z
③粗大運動評価
・個々の関節の機能強化ではなく、目的動作につながる
 複数の関節の総合運動の評価をいう。
・寝返り、立ちあがり、歩行など。
④協調性テスト(重要)
・指鼻テスト、拮抗運動反復テスト、ペグボード、点打ちテスト、
 線引きテスト、片足起立テスト、ロンベルグテストなど。

2)活動および活動制限の評価
(1)日常生活動作(ADL)の評価(重要)
①定義
・日常生活に最小限必要と考えられる動作。
・起居、移動、食事、更衣、整容、トイレの各動作、
 コミュニケーションからなる。
(2)日常生活関連動作(APDL)(重要)
・買い物、外出時の移動、洗濯、食事の支度、家計管理、
 家屋の維持など。

3)参加および参加の制約の評価
(1)家族環境の評価
・障害者との関係(キーパーソン=中心人物は誰・介護者は誰)、
 生計の中心は誰、経済状況は、どうかなど。
(2)住宅環境の評価
・玄関の段差、トイレや浴室の構造、障害者の居住場所の環境など。
(3)職場環境の評価
・障害者自身の準備(職業前評価・職業適性試験など)、
 事業者の協力など。
(4)地域環境の評価
・主に市町村単位でおこなわれている保険・医療・福祉の
 ハードの面の評価。
・教育施設・医療施設・公共交通施設などがバリアフリーで
 あるかというソフト面の評価。

4)合併症(廃用性症候群)の評価
(1)定義
・長期臥床または安静による二次障害で臥床後、数日で起こり、
 長く続けば非可逆的な変化になる。
(2)症候
①骨格筋の萎縮
・原因は筋が使われないことによる。
・予防は筋を効果的に使用すること。
②関節拘縮
・原因は関節運動の欠如による。
・予防は正常可動域の維持および副木、良肢位を保持する。
・予防の運動法は他動運動を行う。
・拘縮した時には矯正法を行う。
③骨粗鬆症
・原因は体重負荷および筋活動にによる牽引の欠如による。
・予防は傾斜テーブル、起立訓練を行う。
④尿路結石
・原因は骨の無機塩類(カルシウム)の消失による。
・予防は運動を行う。
⑤起立性低血圧
・原因は臥位による。
・予防は傾斜テーブル、起立訓練を行う。
⑥静脈血栓
・原因は静脈血流の停滞による。
・予防は体位変換を行う。
⑦沈下性肺炎
・原因は胸郭拡張の欠如ないし、体位変換の減少による。
・予防は体位変換(特に腹臥位)を行う。
⑧褥瘡(とこずれ)
・原因は長期の圧迫による。
・予防は体位変換を行う。
⑨尿失禁
・原因は排尿機会の欠如による。
・予防は尿瓶あるいは、差し込み便器を使用する。
⑩便秘
・原因は不適切な食餌、排便機会の欠如による。
・予防は便器の規則的な使用、適切な水分、食餌を取る。
⑪心理的な荒廃
・原因は不活動、慣れた環境からの分離による。
・予防は最大限の活動、柔軟なプログラムを行う。

5)運動麻痺の評価
(1)弛緩性麻痺の評価
・筋力測定が麻痺の評価に最適である。
(2)痙性麻痺の評価
・筋力は麻痺の程度の指標にならない。
①ブルンストロームのステージ(重要)
STAGE Ⅰ
・随意運動は、みられない。
・筋は弛緩性である。
STAGE Ⅱ
・共同運動がわずかに出現した状態。
・痙縮が出始める。
STAGE Ⅲ
:随意的な共同運動として関節の運動が可能。
・痙性が高度である。
STAGE Ⅳ
・共同運動パターンが崩れ、分離運動が可能。
・痙縮が弱くなる。
STAGE Ⅴ
・分離運動が上手になり、複雑な逆共同運動の組み合わせが可能。
STAGE Ⅵ
・分離運動が自由に、速く、協調性をもっておこなえる状態。
・正常に近い運動が可能。
・痙縮は消失、またはほとんど見られない。

6)運動年齢テスト(運動発達テスト)
(1)移動運動
・4ヵ月で首がすわる、7ヶ月で寝返りをする、11か月で這う、
 1歳3ヶ月で一人立ち歩き、1歳6ヶ月で外で一人歩き、
 2歳で走る、5歳でスキップができるようになる。

7)失行・失認テスト(高次脳機能評価)
(1)高次脳機能
・脳の複雑な認知や合目的動作、行為をコントロールする機能。
(2)失語症
・運動性失語症、感覚性失語症、全失語症などがある。
・検査法には標準失語症検査(SLTA)などがある。
(3)失行・失認のテスト
①観念運動性失行
・検者が親指と人差指で輪を作り、それを患者に模倣させる。
②観念失行
・たばこを咥えマッチで火をつける動作をさせる。
③着衣失行
・着物着脱がうまくできるか否か。
④構成失行や半側空間失認
・時計の文字盤を書かせる。
⑤半側空間失認
・絵の模写をさせる。

8)心理的評価
(1)心理テスト
①性格検査(パーソナリティテスト)
・YG(矢田部ギルフォード)性格検査法、
 MMPI(ミネソタ多面的人格検査)、投影法、
 ロールシャッハ法、文章完成テスト(SCT)、作業検査法、
 クレペリンテスト、(内田ークレペリンテスト)。
②知能検査
・コース立方体テスト、田中ービネ知能検査、べクスラー検査法、
 WAIS-R:成人用、WISC-R:児童用。
(2)認知症のスクリーニング
・改訂 長谷川式簡易知能評価スケール
・ミニ・メンタル・ステート検査(MMSE)

4.医学的リハビリテーション
1)理学療法
(1)運動療法の意義
①関節可動域・筋力・協調性の改善
②肺活量の増大
③最大酸素摂取量・最大酸素負債量の増大
④心拍出量の増加と心拍数の低下
⑤運動時の血圧上昇が低く抑えられる
⑥糖代謝の改善
⑦脂質代謝の改善
(2)基本的な運動療法
①関節可動域訓練
・関節可動域の維持・増大を目的とする
・他動運動、自動介助運動、自動運動を行う。
②筋力増強の理論と訓練法
・筋力増強は回数が少なくても筋に負荷をかけることが大切で、
 負荷は、最大筋力の3分の2とする。
・疲労までの回数が連続10回程度が望ましい。
③筋力に応じた運動の立て方
・MMTでは、筋の収縮なし0、他動運動は1と2、
 自動介助は2、自動運動は3、抵抗運動は4と5。
※漸増抵抗運動(デロームワトキンソン法)
・徐々に負荷を増やしていく方法。
・10RMの50%で10回、10RMの75%で10回、10RMの100%で10回
・10RMとは関節全可動域を10階動かすことの出来る最大抵抗で、
 最大筋力の約3分の2に相当する。
④筋持久力の増大
・低負荷を数多く繰り返す。
・最大筋力の3分の1程度で50~60回繰り返す。
⑤筋弛緩訓練(リラクゼーション)
・目的は疼痛の緩和など。
・方法は持続ストレッチ、タッピング、拮抗筋強化など。
⑥協調性訓練
・原則として、ゆっくりとした確実な運動、単純な運動から
 複雑な運動へ進み、筋固有感覚を再教育する。
・例としてフレンケル体操(治療体操)がある。
(3)特殊な技術を要する運動療法
①神経筋促通法
・中枢性麻痺に対する治療アプローチである。
・PNF(固有受容器神経筋促通法)とは、筋の固有受容器への
 刺激により中枢神経系を促通し、筋の最大収縮を引き出す。
・ボバース法とは、姿勢や動作の基本となる反射パターンに異常が
 見られる時は、それを抑制して正常反射パターンを回復させる。
②関節モビリゼーション
・単にこわばった関節を他動的に外から動かすものではなく、
 関節の中の運動を確保しようという目的で行なわれるもの。
③バイオフィードバック法
・バイオフィードバックとは、生体から出た情報が
 再び生体に戻ってくること。
・EMGバイオフィードバックとは、表面電極や針電極を用いて、
 筋の収縮・弛緩をオシロスコープに波形または、計測器メーターと
 して、またスピーカーを通じて音として感知するもの。
※EMGとは、心電図のこと。
(4)応用的な運動療法
①ADL(日常生活動作)訓練
・起居、食餌、排泄、更衣、整容、移動など残存機能による代償、
 義肢などの生活機能分類の中では、活動制限に対するやり方。
②全身調整運動(GCE)
・長期間の安静だけでも体力は低下するため、このような時に
 行う運動で、歩行訓練・肩のROM訓練・腹筋などがある。
※松葉杖歩行(重要)
①4点歩行
・下肢を交互に振り出すことができる場合の歩行。
・右杖、左下肢、左杖、右下肢のように運ぶ。
・スピードは遅いが安定性はある。
②2点歩行
・4点歩行の安定性が増したら行う。
・右杖と左下肢、左杖と右下肢の順で運ぶ。
③3点歩行
・骨折などで一側下肢に体重負荷ができない場合の歩行。
・両杖、健側下肢と運ぶ。
④ひきずり歩行
・下肢を振り出すことができない場合の歩行。
・両杖、両下肢と運ぶ。
・安定性は良い。
⑤小振り歩行
・対麻痺(両下肢)の歩行。
・両杖両下肢と運ぶ。
・振り出し時に下肢は床から離れ、杖の線まで振り出す。
⑥大振り歩行
・小振り歩行が上達したら、下肢を前方に振り出して行なう。
・スピードは速いが体力とバランスを要する。
(5)運動療法機器
・重錘、滑車、平行棒、歩行補助器(杖)などがある。

2)作業療法
(1)定義
・身体や精神に障害のある人に対して種々の手段を用い、
 機械的、心理的な改善による応用動作能力の向上と
 社会的適応能力の回復により、生きがいのある生活が
 できることを目的としておこなう治療。
(2)種類
①機能的作業療法
・身体的機能障害の改善または、予防目的に行なうもの。
②ADL訓練(日常生活活動訓練)
③義手の装着・操作訓練
④自助具、装具の作成と装着
⑤職業前評価、訓練
⑥精神的医学的作業療法
(3)治療に用いられる作業とその特徴
①手芸、銅板細工、木工など
・手指の巧緻性、協調性の獲得、筋力の強化、持久力の増大、
 座位の耐久力が期待できる。
②足踏み機器の使用、下肢の訓練
③園芸
・自然との接触、生き物を大事にするという心理面への影響、
 グループ効果による対人関係への効果が期待できる。

3)言語聴覚療法
(1)失語症
・脳の問題でブローカやウェルニッケなど。
(2)構音障害
・舌、口唇、喉頭、構音機関の障害による言語障害。

4)装具療法と義肢(重要)
・局所の安静、固定、機能補助などを目的に用いる。
(1)関節装具
①コックアップスプリント(トーマススプリント)
・下垂手に対する手関節の背屈位固定装具。
・橈骨神経麻痺に用いる。
②ナックルベンダー
・鷲手に対するMP関節屈曲補助装具。
・尺骨神経麻痺に用いる。
③長対立副子、短対立副子
・猿手に対する手関節固定と母指対立位保持装具。
・正中神経麻痺に用いる。
④短下肢装具
・足関節の変形や機能障害をコントロールする民に用いられる。
⑤長下肢装具
・足関節と膝関節の動きのコントロールのために用いられる。
⑥コルセット
・脊柱の支持固定、運動のコントロールに用いる。
(2)杖(重要)
・握りは大転子の高さ、肘は30度屈曲、
・松葉杖の長さは、臥位で腋窩前縁から足底まで+5㎝とする。
・立位での長さは、杖を足の外縁から前外側に15㎝の位置に着いて、
 腋窩に2横指の隙間があると良い。
・松葉杖の握りの高さも、大転子の高さで肘は30度屈曲とする。
(3)自助具
・ADLの補助に用いる。
・ボタンエイド、側屈エイド、スプーンホルダー、柄付コップ、
 リーチャー、長柄ブラシなど。
(4)車椅子
①種類
・スタンダードタイプ、トラベラータイプ、スポーツタイプ、
 リクライニングタイプなどがある。
②各部の名称
・大車輪、小車輪、ブレーキ、肘あて、フットレスト、
 ティッピングレバー、ハンドリム、グリップ、背もたれ。
(5)義肢
①下腿義足
・PTB下腿義足(膝蓋靱帯部)、PTES下腿義足、
 KBM下腿義足、サイム下腿義足など。
②大腿義足
・四辺形ソケット(吸着式、大腿前面接触式)がある。
③義手
・能動義手、装飾用義手、作業用義手、電動義手、筋電義手など。

Ⅱ.運動のしくみ

1.運動学の基礎
1)関節と運動の力学
(1)関節運動とテコ
①回旋力(トルク)
・物体が一点を中心にして回旋する時、回旋させる力の働きのこと。
②てこ
・第1のてことは、釣り合いのテコで、支点が
 力点と荷重点の間にある。
・例えば、支点を肘関節として肘関節を屈曲させる外力と
 これに対抗する上腕三頭筋の筋張力との関係。
・第2のテコとは、力に有利なテコで、荷重点が
 支点と力点の間にある。
・例えば、肘付近に荷物をぶらさげた時の腕橈骨筋と荷物との関係。
・第3のテコとは、力に不利であるがスピードに有利なテコで、
 位置関係は、力点が支点と荷重点の間にある。
・例えば、支点を肘関節として肘関節を伸展させる外力と
 これに対抗する上腕二頭筋の筋張力との関係。
(2)空間における関節運動
①基本的立位(基本的肢位)
・立位で手掌を体側につけた「気をつけ」の姿勢。
②身体運動の面と軸
・水平面とは、体を上下に2分する面。
・前頭面とは、水平面と直角で前後方向に垂直な面(左右)。
・矢状面とは、水平面と直角で左右方向に垂直な面(前後)。

2)姿勢とその異常
(1)重心と重心線(重要)
①正常立位での重心線
・乳様突起、第1頚椎、第7頚椎、第10胸椎、第5腰椎、
 仙椎前方、股関節後方(大転子)、膝関節前方(膝蓋骨後面)、
 外果の前方、踵と中足骨頭の間
②正常立位での重心
・人の身長の下から55~58%あたりにあり、ほぼ第2仙椎の
 少し前方に位置する。
③立位姿勢の安定性
・支持面が広い、重心が低い、重心が支持面の中心にあるなどで
 立位姿勢の安定性は増す。
④抗重力筋
・脊柱起立筋、ヒラメ筋、大殿筋、中殿筋などが挙げられる。
(2)異常姿勢
①姿勢の観察(立位)
・立位姿勢をとり、側方および前後方向から頭部と体幹、
 四肢の配列をみて解剖学的な指標が一直線になっているか観察。
・頭部体幹の前後屈の有無、股関節や膝関節の屈曲位の有無、
 生理的弯曲の有無、左右対象、両足の間隔、側弯の有無など。

3)運動路と感覚路(重要)
(1)運動路
①錐体路(皮質脊髄路)
・前皮質脊髄路(錐体前索路)
  大脳皮質運動野、内包、中脳大脳脚(赤核、黒質)、前索、
  交叉して反対側の前角、シナプス、筋
・外側皮質脊髄路(錐体側索路)
  大脳皮質運動野、内包、中脳大脳脚、延髄錐体、錐体交叉、
  反対側の側索、前角、シナプス、筋
②皮質延髄路
・顔面や頭部の筋を支配する。
③錐体外路
・視蓋脊髄路、赤核脊髄路、前庭脊髄路、網様体脊髄路など。
・錐体外路障害ではパーキンソン病となり、振戦、筋強剛、
 無動寡動、姿勢歩行の異常などが出現する。
(2)感覚路
①脊髄視床路
・外側脊髄視床路(側索路)(温度覚、痛覚)
  後根、後角、シナプス、交叉、側索、視床、シナプス、内包、
  大脳皮質感覚野
・前脊髄視床路(粗大触圧覚)
  後根、後角、シナプス、交叉、前索、視床、シナプス、内包、
  大脳皮質感覚野
②後索路(精細触圧覚、深部感覚)
  後根、後索、延髄、シナプス、交叉、視床、シナプス、内包
  大脳皮質感覚野
③脊髄小脳路
・運動や姿勢の維持に関与する。
※ブラウンセカール症候群
・脊髄の左右半側だけを切断した時に、切断した高さより
 下位の脊髄支配領域に見られる症状。
①切断した側に起こる症状
・随意運動麻痺、深部感覚消失、精細触圧覚麻痺、
②切断した反対側に起こる症状
・痛覚、温度覚消失、粗大触圧覚麻痺低

4)反射と随意運動(重要)
(1)反射
・意志とは無関係に起こる決まった一連の過程のこと。
(2)反射弓
・受容器、求心性神経、中枢、遠心性神経、効果器となる。
(3)脊髄反射(重要)
①伸張反射(固有反射)
・筋紡錘が伸張されることによる反射で、単シナプス反射である。
・反射弓は、筋紡錘、Ⅰa群線維、脊髄、Aα線維、
 錘外筋線維の収縮。
・腱紡錘の役割は、伸張反射、腱紡錘の興奮、Ⅰb群線維、
 脊髄内介在ニューロン、α運動ニューロン抑制、錘外筋線維弛緩、
 という伝達を行い、過度の伸張反射の抑制を行う。
(4)姿勢反射
①陽性支持反射
・特定の皮膚を刺激すると、伸筋運動ニューロンのみが
 選択的促通を受けること。
・足底がしっかりとつき、伸筋が伸びる。
・受容器は足底で、交叉性伸展反射の1つ。
②緊張性頸反射(汎在性)
・動物で首を右にねじると左側の前肢と後肢が屈曲し、
 右側の前肢と後肢は伸展するもの。
・除脳動物(中脳欠如)でみられる。
④緊張性迷路反射(汎在性)
・動物で頭を右に傾けると右の肢が伸展し左の肢が屈曲するもの。
(5)立ち直り反射(中枢は中脳)
・正常な猫などは背中から落としても、反射性に
 正常な姿勢にもどることができる反射である。
(6)踏み直り、跳び直り反応(中枢は大脳)
①踏み直り反応
・正常動物を目隠ししておいても、身体の一部をが机などに
 触れると直ちに前足を上げて立ち上がろうする。
②跳び直り反応
・動物の体を側方にずらして重心の位置を変えると、
 ずらされた側の肢を外転して姿勢の安定を保つ反応。
(7)平衡反応
①パラシュート反応
・垂直位地から急速に下方に動かすと両下肢は外転伸展し、
 側肢は開排し、支持平面を広くとるように準備する。
②防御反応
③傾斜反応
・身体の軸を崩すほどに支持面が傾くと、傾くとは逆方向に
 身体が立ち直る反応。
④眼球運動と頭部の動き
・頭部の回転運動により眼振が生じ、体が左に回転すると
 頭部は右に向き、もとの位置に戻ろうとするもの。
(8)連合反応
・体の1部の筋に強い力を働かせると、他の部に筋収縮や運動が
 誘発されること。
(9)共同運動(重要)
①上肢
・肩甲帯の屈筋共同運動は、挙上と後退。
・肩甲帯の伸筋共同運動は、前方突出。
・肩関節の屈筋共同運動は、屈曲、外転、外旋。
・肩関節の伸筋共同運動は、伸展、内転、内旋。
②下肢
・股関節の屈筋共同運動は、屈曲、外転、外旋。
・股関節の伸筋共同運動は、伸展、内転、内旋
(10)随意運動
①随意運動
・意思の力の活動により開始されるもの。
②不随意運動
・無意識的な運動で、反射もこの種類に属する。
③運動の発現
・脳幹網様体系は覚醒を発現する。
・大脳辺縁系は情動や喜怒哀楽を発現する。
・大脳皮質の連合野はプログラム覚醒を発現する。
・大脳基底核は運動やプログラムを発現する。
・小脳は熟練した運動を発現する。
・実行性は運動野、小脳、脳幹、脊髄が発現する。

2.身体各部の機能
2.身体各部の機能
1)脊柱・体幹の機能
(1)脊椎
・上関節窩と下関節窩で椎間関節を構成する。
①頚椎
・頚椎の横突起には横突孔があり、そこを椎骨動静脈が通る。
・第1頚椎と第2頚椎との関節を環軸関節という。
②胸椎
・胸椎には肋骨頭と関節をつくる肋骨窩がある。
・T1~T9には上肋骨窩と下肋骨窩がある。
・胸椎の横突起と横突肋骨窩は肋骨結節と関節をつくる。
③腰椎
・横突起にみえるのは肋骨突起である。
・本来の横突起は副突起として存在する。
④仙骨(仙椎が癒合)
・仙椎の棘突起が癒合して正中仙骨稜を形成する。
(2)靭帯:
・椎体の前は前縦靱帯、脊柱管の前は後縦靱帯、
 脊柱管の後ろは黄色靱帯、棘突起の間は棘間靭帯(頚椎は項靱帯)
 横突起の間は横突靭帯。
(3)椎間板
・椎間板は線維輪と髄核より構成される。
・ヘルニアの好発部位はC6C7C5、L4L5L3である。
(4)脊柱の動きと筋の作用
①環椎後頭骨関節(後頭骨と第1頚椎)
・環椎関節は後頭骨の後頭顆と環椎の上関節窩で構成される。
・屈曲伸展35度、側屈10度、回旋0度。
②環軸関節(第1頚椎と第2頚椎)
・環椎の歯突起窩と軸椎の歯突起で構成される。
・屈曲伸展15度、側屈26度、回旋90度。
③第2頚椎から第7頚椎まで
・屈曲伸展90度、側屈60度、回旋60度。
④胸椎
・屈曲伸展30度、側屈30度、回旋80度。
⑤腰椎
・屈曲伸展65度、側屈40度、回旋10度。
(5)呼息を行う筋
・内肋間筋、最内肋間筋、肋下筋、胸横筋、横隔膜(弛緩)。
(6)吸息をおこなう筋
・外肋間筋、肋骨挙筋、横隔膜(収縮)

2)肩甲帯と肩の機能
(1)肩甲帯
・上肢帯には、鎖骨、肩甲骨が含まれる。
(2)関節と靭帯
・肩甲上腕関節には、烏口肩峰靭帯、烏口上腕靭帯、関節上腕靭帯。
・胸鎖関節は上肢帯と体幹とを結ぶ唯一の関節である。
・肩鎖関節は平面関節である。
(3)肩甲帯、肩に作用する主な筋
・僧帽筋(副神経)、肩甲挙筋、菱形筋(肩甲背神経)、
 前鋸筋(長胸神経、麻痺で翼状肩甲)、三角筋(腋窩神経)、
 広背筋(胸背神経)、大胸筋(内側外側胸筋神経)、
 棘上筋、棘下筋(肩甲上神経)、小円筋(腋窩神経)、
 肩甲下筋、大円筋(肩甲下神経)。
・回旋筋腱板は棘下筋、棘上筋、小円筋、肩甲下筋の腱で形勢。
(4))肩甲帯、肩の動き
①肩甲上腕リズム(コッドマンリズム)(重要)
・肩関節の外転運動における肩甲骨と上腕骨の運動比率をいう。
・肩関節外転90度は、肩甲骨上方回旋30度、上腕骨外転60度となる。
・肩甲上腕リズムの比率は、1対2である。

3)肘と前腕の機能
(1)肘と前腕の構造
①関節と靭帯
・腕橈関節は、上腕骨の上腕骨小頭と頭骨の橈骨頭窩で球関節。
・腕尺関節は、上腕骨の上腕骨滑車と尺骨の尺骨切痕で蝶番関節。
・上橈尺関節は、頭骨の関節環状面と尺骨の橈骨切痕で車軸関節。
・下橈尺関節は、尺骨頭の関節環状面と頭骨の尺骨切痕で車軸関節。
・靭帯には、内側外側側副靭帯、頭骨輪状靭帯がある。
(2)肘と前腕に作用する主な菌
・上腕二頭筋(筋皮神経)、上腕筋(筋皮神経)、
 上腕三頭筋(橈骨神経)、腕橈骨筋(橈骨神経)、
 回外筋(橈骨神経)、円回内筋(正中神経)、方形回内筋。
(3)肘と前腕の動き
①肘関節
・肘関節は伸展位で軽度の外反を示す。
・肘角(生理的外反肘)は、成人男子で約10度で
 小児や成人女子では15度以上である。
・班長肘とは、伸展が0度を超える場合のものをいう。

4)手と手指の機能
(1)手関節の骨構造と関節
①手根骨(母指側から)
・近位列は、舟状骨、月状骨、三角骨、豆状骨と並ぶ。
・遠位列は、大菱形骨、小菱形骨、有頭骨、有鉤骨と並ぶ。
②橈骨手根関節
・橈骨と舟状骨、月状骨、三角骨で構成される、楕円関節である。
③手根中央関節
・手根骨の近位列と遠位列の間にある関節で、半関節である。
④手根中手関節(CM関節)
・母指は鞍関節で、あとは顆状関節である。
⑤中手指節関節(MP関節)
・中手骨と基節骨との間の関節で、顆状関節である。
⑥手根管
・浅指屈筋腱、深指屈筋腱、長母指屈筋腱、橈側手根屈筋腱と
 正中神経が通る。
(2)手関節と手に作用する筋
①手関節の背屈
・長橈側手根伸筋(第2中手骨底)、短橈側手根伸筋(第3中手骨底)、
 尺側手根伸筋(第5中手骨底)総指伸筋がある。
・起始は全て上腕骨外側上顆である。
②手関節の掌屈
・橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、長掌筋がある。
・起始は全て上腕骨内側上顆である。
③手指の伸筋群
・総指伸筋(第2から第5)があり、伸筋は全て橈骨神経である。
・起始は全て上腕骨外側上顆である。
④手指の屈筋群
・浅指屈筋(第2から第5の中節)、深指屈筋(末節)がある。
・中指より橈側は正中神経、尺側は尺骨神経の支配である。
⑤手指の中手筋群
・背側骨間筋、掌側骨間筋、虫様筋がある。
⑥母指に作用する筋
・外来筋は、長母指屈筋、長母指伸筋、短母指伸筋、長母指外転筋。
・母指球筋は、短母指屈筋、短母指外転筋、母指対立筋、母指内転筋
⑦小肢に作用する筋
・小指球筋は、小指外転筋、短小指屈筋、小指対立筋、短掌筋。
※手関節の腱(橈側から)
・腕橈骨筋腱、橈側手根屈筋、長掌筋腱、浅指屈筋腱、
 尺側手根屈筋腱となる。
(3)手関節と手の動き
①背屈と掌屈
・背屈は手根中央関節が関与する。
・掌屈は橈骨手根関節が関与する。
②橈屈と尺屈
・橈屈は手根中央関節が関与する。
・尺屈は橈骨手根関節が関与する。
(4)手のアーチと良肢位
・縦・横・斜めのアーチがある。
①縦方向のアーチ
・手根骨、中手骨、指骨で作られるアーチ。
②横方向のアーチ
・遠位手根骨列で形成される固定性のアーチ。
・中手骨頭で形成される可動性のアーチ。
③斜め方向のアーチ
・母指と他の4指で形成されるアーチで、把握動作に重要。
④手の良肢位(重要)
・手関節経路掌屈、母指経路外転屈曲、第2指の指尖側面に対立、
 第2から第5指のPIP、DIP経路屈曲。
(5)内在筋プラスとマイナス肢位
・プラスは、内在筋が働くとどう動くか覚える。
①完全伸展
・内在筋(虫様筋、骨間筋)、指伸筋(外来筋の1つ)プラス。
②内在筋プラス肢位
・MP関節屈曲、他は伸展(指伸筋が働いていない。
③内在筋マイナス肢位
・外来筋(浅指屈筋・深指屈筋・指伸筋)プラス。
・MP関節伸展、他は屈曲
④完全屈曲
・深指屈筋プラス。
⑤PIPのみ屈曲
・浅指屈筋、指伸筋プラス
⑥PIP・DIPが屈曲
・深指屈筋プラス、指伸筋プラス
(6)手の変形
①スワンネック変形
・MP関節屈曲、PIP関節過伸展、DIP関節屈曲。
②ボタン穴変形
・MP関節過伸展、PIP関節屈曲、DIP関節過伸展。
③鷲手
・尺骨神経麻痺による内在筋麻痺(内在筋マイナス)。
・第4指5指が麻痺する。
・フローマン徴候(紙をもつ)が陽性となる。
④下垂手
・橈骨神経麻痺によって起こる。
⑤猿手
・正中神経麻痺による母指球筋の麻痺によって起こる。
⑥槌指
・PIP伸展、DIP屈曲
・マレットフィンガー、突き指
(7)手の良肢位
①安静肢位
・安静肢位とは睡眠時になっている肢位。
②機能肢位
・手の各動作をおこしやすい肢位。
・手関節中等度背屈で軽度尺屈、母指は掌側外転で屈曲、
 第2~第5指は、軽度屈曲。

5)骨盤と股関節の機能
(1)骨盤と股関節の構造
①骨盤
・寛骨は仙骨、恥骨、腸骨の軟骨結合によって構成される。
・坐骨の前方は線維軟骨による恥骨結合がある。
・恥骨下角は、男性60度、女性90度である。
②股関節
・寛骨臼と大腿骨頭で構成される。
・形態は臼状関節で球関節である。
・頸体角(大腿骨頭と大腿骨体とのなす角)は120~130度で、
 男性よりも女性の方がやや大きい。
・前捻角(大腿骨頭と前額面のなす角度)は前房に出ており、
 成人では10~20度、小児では35度である。
③大腿骨頭靭帯
・約3㎝の靭帯で内転時のみ緊張する。
④輪帯
・関節包の内面に密着する靭帯で、股関節の過度の伸展を防ぐ。
⑤腸骨大腿靱帯(Y靭帯)
・股関節の前面にある人体で最も強い靭帯。
・下前腸骨棘より起こり扇上に広がり、転子間線に付着する。
・伸展、内転、外転、外旋で緊張する。
⑥恥骨大腿靭帯
・恥骨から起こり外下方へ走り小転子に付着する。
・伸展、外転、外旋で緊張する。
⑦坐骨大腿靭帯
・関節唇の後面から起こり大腿骨頚部の後面と大転子の内側に付着。
・伸展、外転、内転で緊張する。
(2)骨盤と股関節に作用する筋
①大殿筋
・股関節伸展筋で下殿神経の支配を受ける。
・デュセンヌ型筋ジスで萎縮し、登攀性起立が起こる。
②中殿筋
・股関節外転筋で上殿神経の支配を受ける。
・麻痺すると健側の股関節が下がるトレンベレンブルグ歩行が出現。
③大腰筋と腸骨筋
・股関節屈曲筋で腰神経叢、大腿神経の支配を受ける。
・小転子に停止する。
(3)骨盤と股関節の動き
①腰椎骨盤リズム
②片脚起立のメカニズム

6)膝関節の機能
(1)構造
①内側、外側半月
・内側はC型で外側のO型をしており、内側より外側の方が大きい。
②内側、外側側副靱帯
・両方とも伸展時に緊張し屈曲時に弛緩する。
・内側側副靱帯は大腿骨と脛骨をつなぎ、半月板と繋がる
・外側側副靱帯は大腿骨と腓骨頭をつなぎ、半月版とは繋がらない。
③前・後十字靱帯
・前十字靱帯は下腿が前にずれないように補強しており、
 後十字靱帯は下腿が後ろにずれないように補強している。
④膝蓋靱帯
(2)膝関節に作用する筋
①大腿四頭筋
・股関節伸展筋で下前腸骨棘より起始し、脛骨粗面で停止する。
・大腿神経の支配を受ける。
②屈筋群(ハムストリングス)
(3)膝関節の動き
①生理的外反
・大腿骨と脛骨の長軸は直線でなく、外側で170~175度。
②屈伸運動
・大腿骨の脛骨での、ころがり運動とすべり運動の複合運動である。
・完全伸展位から屈曲初期には、ころがり運動だけであるが、
 徐々にすべり運動の要素が加わって屈曲の最終段階では、
 すべり運動だけになる。

7)足の機能
・足根骨には、距骨、踵骨、外側楔状骨、内側楔状骨、
 中間楔状骨、立方骨、舟状骨がある。
(1)関節と靭帯
①距腿関節
・脛骨の関節窩、蚊関節面、内顆関節面と、距骨の距骨滑車で
 構成される関節である。
②距骨下関節
・距骨と踵骨の前面で構成され、顆状関節の形態をとる。
③距踵舟関節
・顆状関節
④横足根関節(ショパール関節)
⑤足根中足関節(リスフラン関節)
(2)足関節と足に作用する主な筋
①下腿三頭筋
・腓腹筋は大腿骨内側外即上顆から起こり、踵骨隆起に停止する。
・脛骨神経の支配を受ける。
・ヒラメ筋
②前脛骨筋
・足関節背屈と内反の運動を行い、深腓骨神経の支配を受ける。
③後脛骨筋
・足関節の底屈・内反を行う。
④長・短腓骨筋(浅腓骨筋)
・足関節の底屈・外反を行う。
(3)足関節と足の動き
・内反とは底屈・回外・内転の合成運動である。
・外反とは背屈・回内・外転の合成運動である。
(4)足のアーチと変形
①足のアーチ
・内側(縦のアーチ)は、つちふまずを形成し、
 歩行と密接な関係がある。
・外側のアーチは、足のバランスと密接な関係がある。
・横のアーチ
②変形
・尖足とは、足底屈筋の筋緊張が異常に強い場合で内反を合併し
 内反尖足となることが多く、深腓骨神経麻痺で起こる。
・扁平足とは、足のアーチが低下したものをいう。
・凹足とは、足のアーチが高すぎる状態で、底屈筋に比べ
 前脛骨筋が高すぎる場合をいう。
・つち趾(鷲足)とは、MP関節が過伸展した状態をいう。
・踵足とは、下腿三頭筋や長腓骨筋の筋力低下のため、
 拮抗筋の作用が相対的に強くなり、踵骨が地面に対して
 垂直方向に向き足関節が背屈位になった変形をいう。

8)正常歩行と異常歩行
(1)歩行周期
①一歩
・右の踵が地面についてから、左の踵が地面につくまでをいい、
 その距離を歩幅という。
②重複歩
・右の踵が接地して同側の踵が再び接地するまでを言い、
 この一連の動作を歩行周期という
③歩隔
・右足と左足の間隔をいう。
④歩行率(ケイデンス)
・単位時間内での歩数のこと。
⑤足角
・進行方向と足の長軸方向とのなす角度。
(2)歩行周期の分類
・大きく立脚期と遊脚期に分類される。
①立脚期
・踵接地、足底接地、立脚中期、踵離地、足尖離地。
②遊脚期
・足が床から離れている時期で、1周期の約40%。
・遊脚期は、加速期、遊脚中期、減速期に分けられる。
③二重支持期
・両方の足がどちらも床に接している時期で走るとなくなる。
(3)歩行における重心の移動
①上下方向
・重心点は、立脚中期に最高となり踵接地で最低となる。
・上下の振幅は、約4.5㎝。
②左右方向
・最も左右方向に移動する時期はそれぞれの立脚中期である。
・左右の振幅は、約3㎝。
(4)歩行に伴う身体各部の動き
①骨盤の回旋
・遊脚側の骨盤が前方に約4度回旋する。
②骨盤の傾斜
・遊脚側の骨盤が水平の位置から約5度下方に傾く。
③立脚期の膝の屈曲
・支持脚は、膝関節を完全伸展位で踵接地して立脚相になり、
 その後は、屈曲して足底接地まで屈曲を続ける。
・立脚中期では、約15度屈曲している(重要)。
④足関節と膝関節の機構
・踵接地時に膝関節は完全に伸展し、足関節は背屈、
 逆に膝関節が屈曲している時は、足関節は、底屈。
⑤骨盤の側方移動
・股関節が垂直軸に内転位であるため、側方移動が少なくなる。
・側方移動は立脚側で4~5㎝。
(5)床反力
・体重および下肢の推進力として足底が床を圧する力と同等の力が
 床から反力として作用すること。
(6)歩行時の筋活動(重要)
①前脛骨筋・脊柱起立筋
・歩行周期全般で筋活動が見られる。
・立脚期および遊脚期の移行期に特に収縮する。
②下腿三頭筋
・前進・加速性に関与し、踵離地及び足尖離地時に強く収縮する。
③大腿四頭筋
・減速と安定性に関与する。
・足底接地から立脚中期にかけて膝関節を伸展し、加速期には
 踵があまり高く上がり過ぎないように減速に働く。
④ハムストリングス
・立脚期に股関節を伸展し遊脚期においては、
 下肢の前方への振り出し運動を加速する。
(7)異常歩行(重要)
①身体構造上の異常によるもの
・脚長差が3㎝以上有る場合、墜落性跛行をきたす。
・下肢の関節の拘縮、下肢の支持性障害など。
②疼痛によるもの
・逃避性跛行とは、重心を健側に傾けて歩くものをいう。
・間欠性跛行は、脊柱管狭窄症やバージャー病にみられる。
③中枢神経系の異常によるもの
・分回し歩行とは、患側下肢が尖足のため股関節が外転し、
 足の軌跡が円弧上になる歩行をいう(片麻痺)。
・はさみ歩行とは、下肢全体が伸展して内転しているため、
 両膝が交互に触れ合いこうさする(伸展型対麻痺)。
・小刻み歩行とは、床をするような歩行(パーキンソン病)。
・小脳性失調歩行は、酩酊歩行となる。
・脊髄性失調歩行は、踵打ち歩行となる(深部反射異常)。
④末梢神経系に異常のあるもの
・鶏歩とは、前脛骨筋麻痺(深腓骨神経麻痺)によるもの。
・大殿筋歩行とは、骨盤を前に出し、体幹を後方にそらした状態で
 歩行するもの(筋ジストロフィー)。
・トレンデレンブルグ歩行とは、中殿筋麻痺によるもので、
 両方の場合ではあひる歩行となる。
・らくだ歩行とは、下腿三頭筋麻痺によるもの。

9)顔及び頭部の筋
(1)表情筋
・表情筋は顔面神経の支配を受ける。
①前頭と鼻部
・前頭筋は、額に皺をよせる。
・皺鼻筋は、眉間に皺をよせる(たてじわ)。
・鼻根筋は、鼻根部に皺をよせる。
・鼻筋は、鼻孔を狭くしたり広げたりする。
②目の周囲
・眼輪筋は、目を閉じる
・上眼瞼挙筋は、目を開く
③口の周囲
・口輪筋は、口をすぼめる
・小頬骨筋は、上唇を前に引き出す
・口角挙筋は、唇の端の上縁を引き上げる。
・大頬骨筋は、口角を上外側に引き上げる。
・笑筋は、口角を真横に引く。
・頬筋は、ほほを圧縮する(空気を吐く)
・下唇下制筋は、下唇を外下方へ
・口角下制筋は、口角を下方へ引く。
・オトガイ筋は、オトガイの皮膚を引き上げ下唇を前方に引き出す。
・広頸筋は、口角を下方へ
(2)咀嚼筋
・咀嚼筋は三叉神経第3枝(下顎神経)の支配を受ける。
・咬筋、側頭筋(下顎骨挙上)、内側翼突筋、外側翼突筋がある。

Ⅲ.各疾患のリハビリテーション
1.脳卒中のリハビリテーション
1)脳卒中
(1)分類
・脳梗塞(脳血栓と脳塞栓)、脳出血、クモ膜下出血がある。
(2)症状
①運動障害
・片麻痺は弛緩性麻痺から痙性麻痺となる。
②感覚障害
・肩手症候群とは、麻痺側の上肢の痛みをいう。
・視床痛とは、視床部の障害により引き起こされる麻痺側の
 自発痛や不快感をいう。
③言語障害
・構音障害は、発声器官の筋麻痺によるもの(喉頭筋など)。
・運動性失語症は、左前頭葉のブローカ野障害によって起こる。
・感覚性失語症は、左側頭葉のウェルニッケ野障害によって起こる。
・全失語症は、前頭葉・側頭葉の両方の障害によって起こる。
④意識障害
・Ⅲ群3段階の表記などを用いる。
⑤失効・失認症
・観念失効、構成失行など
⑥視覚障害
・視交叉部の障害では、両耳側半盲となる。
⑦精神・心理的障害
・脳血管性痴呆となる。
⑧膀胱直腸障害
・中枢は腰仙髄にある。
(3)合併症
①マンウェルニッケ拘縮
・上肢では、肩関節内転内旋、肘関節屈曲、前腕回内、手指屈曲。
・下肢では、股関節伸展外転外旋、膝関節伸展、足関節底屈内反。
②骨粗鬆症
・重力負荷の不足によって起こる。
③肩手症候群
④褥瘡
・褥瘡の好発部位は仙骨部である。

2)運動機能評価(重要)
・ブルンストロームノステージによる痙性麻痺の評価。
(1)上肢
①ステージⅣ
・肘関節伸展位で肩関節90度屈曲可能。
・肘関節屈曲位で回内および回外可能。
②ステージⅤ
・肘関節伸展位で肩関節90度外転。
・肘関節伸展位で肩関節180度屈曲。
・肘関節伸展位で回内回外。
(2)下肢
①ステージⅣ
・座位で足を床上に滑らせながら膝関節屈曲90度以上が可能。
・座位で踵をつけたまま足関節のみ背屈可能。
②ステージⅤ
・立位で股関節伸展位で膝関節屈曲可能。
・立位で膝関節伸展位で足関節のみ背屈可能。
(3)手指
①ステージⅣ
・横つまみ(頬をつまむ動作)が可能。
②ステージⅤ
・対向つまみ(きつねの形)、猿筒握り、球にぎきりが可能。

3)急性期のリハビリテーション
(1)体位変換
・褥瘡の予防のため、2~3時間ごとに行う。
(2)良肢位保持
・変形・拘縮・褥瘡の予防のために行う。
①背臥位(仰臥位)
・マットは固めのもの、枕は低め。患側の肩の下にクッションを
 入れて肩の落ち込みを防ぐ。
・肘から前腕の下にクションを入れて腕を高挙しておく。
・手関節背屈、手指軽度屈曲、股関節内外旋中間位、
 膝関節軽度屈曲位、足関節底背屈0度。
②腹臥位
・腹部に薄い枕かタオルを折ったものをいれる。
・顔面は、患側に向ける(健側が下)。
・上肢は、頭上に挙げ指は軽度屈曲位。
下腿の下にクッションを入れ、軽度膝関節屈曲位・足関節背屈。
③側臥位
・患側を上にし、胸部に大きめのクッションを抱くように置き、
 その上に患側の上肢をのせる。
・下肢は、膝の内側にクッションをいれ、股関節内転を防ぐ。

3)ROM訓練
・患側上下肢の各関節をそれぞれ運動方向に従って3~5回行う。
・1日1~2回他動的に行う。

4)回復期のリハビリテーション
(1)ベッド上訓練および座位訓練
①寝返り
・健側方向への寝返りは、健側下肢を患側下肢の下にすべりこませ、
 健側上肢で患側上肢をもち上肢を引き上げながら行う。
②起き上がり
・健側に回旋しつつ肘をつき次いで肘を伸展し座位に起き上がる。
③座位保持
④ADL訓練
・座位が30分程度保持できれば、訓練室での訓練を開始する。
・車椅子を健側側のベッドに対し約45度に置き、健側下肢に
 十分体重をのせるようにして立ち上がる。
(2)マット上訓練
・寝返り、起き上がりなどのベッド上訓練、座位、膝立ちなどの
 歩行訓練の準備、四つ這いなどの移動訓練など。
(3)傾斜台起立訓練
(4)平行棒訓練
・起立訓練、立位バランス、歩行訓練などを行う。
①歩行訓練
・健手、患脚、健脚と進める。
・健手と患脚、健脚と進める。
(5)歩行訓練(杖を用いて)
①階段を上る時
・杖、健脚、患脚と進める。
②階段を下りる時
・杖、患脚、健脚と進める。
(6)神経筋促通法
①ボバース法
②PNF(固有受容器神経筋促通法)
(7)ADL訓練
・食事動作では、利き手交換や片手での動作訓練を行う。
・更衣動作では、片手で患側から着て健側から脱ぐ訓練を行う。

5)リスク管理(重要)
(1)訓練中の基準
・アンダーソン・土肥の基準(循環器系:脈拍・血圧)
①訓練を行わないほうが良い場合
・安静時脈拍が、120回/分以上あればやめた方良い。
・安静収縮期血圧(最高血圧)が、200㎜Hg以上、
 安静拡張期血圧(最低血圧)が、120㎜Hg以上あればやめる。
・労作性狭心症または1ヶ月以内の心筋梗塞
・明らかな心不全や息苦しい不整脈
・訓練前すでに動悸や息切れのあるもの
②途中で訓練を中止する場合
・脈拍数が140/分を超えた場合
・収縮期血圧が40㎜Hg以上または
 拡張期血圧が20㎜Hg以上上昇した場合
・1分間に10回以上の期外収縮や頻脈性不整脈或いは徐脈。
・中等度の呼吸困難、めまい、嘔吐、狭心痛の出現
③訓練を一時中止し、回復をまって再開する場合
・脈拍数が運動前の30%以上または、120回/分を超えた場合。
 (但し、2分間の安静で10%以下にならなければ、
 中止、負荷を軽くする。)
・1分間に10回以下の期外収縮の出現。
・軽い動悸や息切れ

6)脳卒中のリハビリテーションのゴール
(1)いつまで治療するか
・一般に発症後6ヶ月までに集中的に訓練する必要がある。
(2)リハビリテーションの結果
・歩行は80~90%可能、ADLは約60%自立。

2.脊髄損傷のリハビリテーション
1)脊髄損傷とは
(1)原因
・交通事故などの外傷性によるものが多い。
(2)病気の型
・対麻痺は両下肢、四肢麻痺は両上下肢
(3)脊髄損傷のレベルとADL
※C4損傷では、C4は残っており、C5からが損傷している。
①C1~C3損傷(全面介助)
・C4の傷害により横隔膜が障害され、人工呼吸器の適応となる。
①c4損傷(要介助)
・僧帽筋上部線維の運動が可能。
・顎で操作する電動車いすの適応となる。
②C5損傷(要介助)
・肩関節、肘関節の弱い屈曲が可能。
・BFO(機能的上肢装具)の適応となる。
③C6損傷(ADL可能)
・肩関節の強い外転外旋と弱い内転内旋、肘関節の強い屈曲、
 手関節背屈が可能。
・ノブ付き車椅子、機能的把持副子の適応となる。
・肘ロックによる弱いプッシュアップ(腕立て)が可能。
④C7
・肘の伸展によるプッシュアップが可能となるため、
 車椅子への移動ができる。
・体幹の安定、手関節の弱い屈曲が可能。
⑤C8
・弱いつまみ動作や握り動作が可能。
・手の装具がいらなくなってくる段階。
⑥T1
・上肢は正常で自由な車椅子動作が可能。
⑦T6
・体幹装具、長下肢装具、松葉杖の使用により、小振り歩行が可能。
⑧T12
・強力な腹筋による車椅子動作が可能。
・長下肢装具と松葉杖の使用により、大振り歩行が可能。
・ここぐらいまで車椅子が対象
⑨L3
・股関節の屈曲、膝関節の伸展が可能。
・短下肢装具と杖による歩行が実用レベル。
⑩S1
・足関節と殿筋のコントロールが可能
・装具なしで歩行できる。
・膀胱直腸障害は残る。
・膀胱は骨盤神経で、直腸は迷走神経の支配を受ける。
・外尿道括約筋と内尿道括約筋は陰部神経の支配を受ける。
(4)症状
①運動麻痺、感覚障害、膀胱直腸障害、自律神経障害、
 呼吸機能障害、性不能障害、異所性骨化など。
(5)急性期のリハビリテーション
・受傷部の保護、合併症の予防を行う。
・良肢位保持、体位変換(2時間毎)、他動的ROM訓練、呼吸訓練、
 体位ドレナージなど。
(6)回復期のリハビリテーション
・残存筋強化、上肢強化、車椅子移動、歩行へと回復させる。
・ROM訓練、筋力増強、基本訓練、ADL訓練と行う。
・基本訓練とは、マット訓練、斜面台訓練、車椅子訓練、
 平行棒訓練、杖歩行訓練など。
(7)リスク管理
・脊髄の保護、脊柱の安定性の確保、褥瘡予防、起立性低血圧予防、
 体温管理、膀胱尿路合併症の予防、自律神経過剰反射の管理、
 関節拘縮、骨粗鬆症、沈下性肺炎など。

3.切断のリハビリテーション
1)切断の原因と分類
(1)原因
・外傷、循環障害、腫瘍、感染症など。
(2)分類
①股関節離断(大腿が無い)
・カナダ式股義足の使用。
②大腿切断
・大腿義足の使用。
③膝関節離断(下腿が無い)
・膝義足の使用。
④下腿切断
・PTB式下腿義足の使用。
⑤サイム切断(距腿関節)
・サイム義足の使用。
⑥足部の切断
・ショパール関節(横足根関節)近位
・リスフラン関節(足根中足関節)遠位
⑦肩関節離断(フォークォーター切断)
・肩義手の使用。
⑧上腕切断・肘関節離断
・上腕義手の使用。
⑨前腕切断
・前腕義手の使用。

2)合併症
(1)幻肢痛
・手や足の切断が心で受け入れられない。
(2)断端浮腫
・義手や義足では、障害になるので治療が必要となる。
(3)断端神経腫
・筋肉の中から出てきて痛みが生じる。
(4)断端皮膚の問題
・衛生状態が悪く問題となる。
(5)心理的社会的問題
・幻肢痛で社会的な面での問題など。

3)リハビリテーションと義肢装着
(1)切断術と術後措置
・切断の際には骨に穴をあけて接続し、断端部の浮腫を防ぐために
 圧迫保持する。
・膝切断では、股関節も萎縮するのでリハビリを行う。
(2)断端の強化
①断端長の測定
・大腿切断は、坐骨結節から。
・下腿切断は、膝蓋骨下縁もしくは膝関節裂隙。
・上腕切断は、肩峰から。
・前腕切断は、上腕骨外側上顆から。
②断端周径の測定
・断端浮腫と筋萎縮の状態の目安となる
③断端の状態
・圧痛、特に神経腫の有無の確認ができる。
④関節可動域と筋力強化
(3)切断から義肢の装着までの流れ
①断端訓練
・断端に対する圧迫包帯、断端の筋力強化、断端浮腫を防止、
 ROM訓練を行う。
②義肢の作成と義肢訓練、チェックアウト
・仮義肢作成、ソケット採型、義肢の仮合わせとチェックアウト。

4)各切断の特徴
(1)下腿切断の特徴(最多)
・断端長が長い方が優位。
(2)大腿切断の特徴
・大腿部は、筋に富むため術後の浮腫が大きい。
(3)前腕切断の特徴
・上肢では最多。

4.脳性麻痺のリハビリテーション
1)脳性麻痺とは
(1)定義
・受胎から新生児までの間に生じた脳の非進行性病変に基づく
 永続的障害で、2歳までの間に発病するもの。
(2)分類
①痙直型
・筋緊張が強く腱反射が亢進し、関節の変形、拘縮が起こりやすい。
・脳性麻痺全体の約50%を占める。
②緊張型(強剛型)
・腹筋、伸筋、屈筋の筋緊張が強く、関節を他動的に動かすと
 鉛管現象、歯車現象を示すタイプ。
・変形、拘縮が極めて起こりやすい。
③アテトーゼ型
・四肢および体幹に不随意的な運動を呈するタイプ。
・脳性麻痺全体の約20%を占める。
④失調型
・身体の平衡、バランスの障害が特徴。
⑤弛緩型
・常に筋緊張が低く、抗重力姿勢(直立姿勢)が保てないタイプ。
⑥混合型
・①~⑤の混合
(3)早期診断・早期治療の原則
・乳児の脳は可逆性、順応性が強く、早期の訓練や学習によって
 正しい運動パターンを獲得できる。
・運動発達障害から起こる二次的な機能の発達遅滞の予防。
(4)療育の原則
(5)脳性麻痺による障害
・運動障害、精神発達遅滞、痙攣、行動障害、情緒障害、
 聴覚障害、言語障害、視覚障害、歯の障害などが起こる。
※情緒障害とは、夜尿や指しゃぶりなど。

2)脳性麻痺児
(1)筋緊張の異常
(2)姿勢反射と基本的な自律反応
・把握反射の異常、迷路から起こる立直り反射がうまくいかない。
(3)正常発達との比較
・6ヶ月でおもちゃに矯味を示す、12ヶ月で簡単な意思の表示。
(4)感覚障害と認知障害の把握
・正常では外部の刺激を受け止め認知できるが、
 脳の発達、運動発達への障害。

3)リハビリテーション
(1)原則
・正常児の運動発達を踏まえて異常な姿勢反射、筋緊張を抑制し、
 より正常な姿勢反射、運動パターンを獲得すること。
(2)方法
・関節の変形や拘縮の予防、筋力強化、装具や訓練器具を使っての
 訓練などを行う。

5.慢性閉塞性肺疾患のリハビリテーション
1)症状
(1)呼吸困難
①呼吸困難の程度によるヒュージョーンズの分類
・1度は、同年齢の健康者と同様の労作ができ、歩行や階段の昇降も
 健康者なみにできる。
・2度は、同年齢の健康者と同様に歩行ができるが、
 階段の昇降は健康者なみにはできない。
・3度は、平地でさえ健康者なみに歩けないが自分のペースなら
 1km以上歩ける。
・4度は、休みながらでなければ50m以上歩けない。
・5度:会話、着物着脱にも息切れし、息切れのため外出できない。

2)肺理学療法
(1)評価
①肺活量(%肺活量)
・拘束性、正常80%以上。
②1秒率
・70%以上で正常。
③一回換気量
・500ml。
(2)実際
①基本方針
・換気量の増大、有効な呼吸パターンの獲得、気道分泌物の喀出、
 脊柱や胸郭の動きの改善、呼吸筋力の増大、体力の増大など。
②方法
・腹式呼吸と口すぼめ呼吸、体位排痰訓練(体位ドレナージ)、
 全身調整運動を行う。

6.主な整形外科疾患の理学療法
1)いわゆる五十肩(運動制限と痛み)
(1)評価
・ROM測定、圧痛、ADL(結髪結帯)、理学的検査など。
(2)理学療法
・温熱療法、運動療法、ROM訓練、関節モビリゼーション、
 コッドマン体操(アイロン体操)、棒体操、筋力強化など。

2)腰痛
(1)評価
・姿勢、疼痛、圧痛、脊柱の可動性、理学的検査、下肢の感覚障害、
 筋力低下、ADLなど。
(2)理学療法
・温熱療法、牽引療法、運動療法、ウイリアムズ体操、腹筋など。

3)変形性膝関節症
(1)評価
・ROMの測定、筋力測定、ADLなど。
(2)理学療法
・ROM訓練、筋力強化(大腿四頭筋)、筋の伸張訓練、
 温熱療法、装具、その他、手術療法(人工関節)など。

4)末梢神経麻痺
・多発性神経障害は糖尿病によって起こる。
(1)セドンの分類
・評価として感覚障害、運動障害、自律神経障害をみる。
(2)自助具
・尺骨神経麻痺による鷲手にはナックルベンダー。
・橈骨神経麻痺による下垂手にはコックアップスプリント。
・正中神経麻痺による猿手には対立複肢。

5)大腿骨頸部骨折
・女性に多く、骨粗鬆症や転倒によって起こりやすい。
(1)治療の原則
・高齢者では寝たきりになりやすいため早期からリハビリを行う。
(2)評価
・合併症、股関節のROM、患肢の免荷または部分荷重の程度、
 ADL、歩行など。
(3)理学療法
・股関節可動域訓練、ADL訓練、歩行訓練など。

6)関節リウマチ
(1)評価
・診断基準は朝の強張りなどの項目によってなされる。
・関節障害は腫脹、疼痛、発赤、関節可動域、スワンネック変形、
 外反母趾、ボタン穴変形、尺側偏位、Z変形など。
(2)リハビリテーション
・急性期は安静、一日一度の軽い自動運動若、自動介助運動を行う。
・慢性期は、ADL向上、変形予防、温熱療法、ROM訓練、
 マッサージ、自助群使用、寒冷療法など。

7)心疾患のリハビリテーション
(1)目的
・残存心機能を積極的に改善していく。
(2)運動トレーニングの効果
・最大酸素摂取量、トレーニングされた骨格筋のミトコンドリアの
 活性化など。
・心拍数、収縮期血圧などの減少。
(3)評価
①メッツ(METs)
・3.5mlO2/㎏/分、1kcal/㎏/時
・散歩は3~4.5、ジョギングは10~11
②ワット(WATTS)
・仕事量の単位で自転車エルゴメーターで用いる。
・負荷抵抗と距離により仕事量が違う。
③運動負荷試験
・トレッドミルはルームランナーのこと。
・自転車エルゴメーターはエア路バイクのこと。
・マスター(MASTER)2階段法は踏み台昇降のこと。
(3)理学療法とその他のケアー
①リハの場所
・1~2週はCCU、3~4週は一般病棟
②活動表(発症期からの日数)
・3日は絶対安静、9日はベッド上移動、14日は病室内の活動、
 4週は病室から病棟
③運動の強さ(METsで表記)
・2~3日は1、2週は1~2、3週は2~3、4週は3~4。
④運動の段階
・安静、受動座位、自動坐位、立位、ベッド周囲歩行、
 病院内歩行、廊下歩行と進めていく。
⑤排泄
・1週はベッド上、2週はベッドサイド便器か室内トイレ、
 3週以降は病棟内トイレ。
⑥食事
・2週目以降は常食





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