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生理学ノート15「感覚」

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1.感覚の一般
■1)感覚とその分類
①体性感覚…皮膚感覚と深部感覚
②内臓感覚…臓器感覚と内臓痛覚
③特殊感覚…味覚、嗅覚、聴覚、平衡覚、視覚

■2)感覚の一般的性質
(1)適刺激
ある受容器に最適な刺激のこと
(2)感覚の投射
感覚は大脳皮質の感覚野で生じるが、主観的には刺激を受けた受容器に感覚が生じること
(3)刺激の強さと感覚
①弁別閾
異なる強さの刺激を区別するのに必要な刺激の最小差のこと
②ウェーバーの法則
もとの刺激=S
弁別閾=ΔS
とすると、SとΔSとの間に比例関係が成立すること
例)S=5キログラム、ΔS=1キログラム
S/ΔS=5/1=0.2
S=10のときはΔS=2キログラム
S×0.2=ΔS が成り立つ
③スティーブンスのべき関数
感覚の強さ(=E)と刺激(=S)との間に
E=kS^n(kは定数)
の肝経が成り立つこと

(4)感覚の順応
持続的な刺激が次第に弱く感じるようになること
順応が早い感覚:嗅覚、触覚など
順応が遅い感覚:痛覚、
(5)感覚と知覚・認識
感覚受容器で受け取られた感覚の情報は大脳皮質の感覚野に伝えられ、感覚を起こす
さらに連合野に送られ、過去の記憶と照合されその性質を知る

(6)感覚入力の調節
①周辺抑制
刺激が加えられた場所の周辺の感覚情報が抑制されること
(7)感覚と情動
感覚情報は視床下部や大脳辺縁系にも伝えられるが、この際に情動反応を起こすこともある
(8)感覚刺激と反射
ある感覚刺激により、無意識的に反射性反応を起こす
(9)ヨハネスミューラーの法則
例えば、目をたたかれると光を見る
受容器がたとえ非特殊刺激を受けたとしても、それが特殊刺激として受け取られるという法則

■3)受容器と興奮伝達
①受容器電位と起動電位
ア.特別な感覚受容器があるもの
刺激により受容器を興奮させ、受容器電位が発生し、伝達物質が放出され、感覚線維末端で起動電位が発生し、その後活動電位が発生して中枢神経系に伝わる
イ.求心性神経終末自体が特殊化したもの(痛覚の自由神経終末など)
受容器に加えられた刺激は、受容器を興奮させ、受容器電位として電気的変化に変換される
これが感覚線維に活動電位を発生させることから、起動電位とも言われる

2.体性感覚
■1)皮膚感覚(表在感覚)
①種類
触圧覚、温覚、冷覚、痛覚
②感覚点
平均すると皮膚1平方センチあたり
触(圧)点:25
温点:1~4
冷点:2~13
通天:100~200
(1)触圧覚
触・圧覚は皮膚の変形によって、触点が刺激されて起こる
①触点の密度
指先や顔面で高く、上腕や下腿などで低い
密度が高いほど閾値が低い
②2点弁別閾
皮膚上の2点に刺激を与えたとき、2点として識別できる最小の距離を言う
触点の密度の高いところでは、2点弁別閾が低い

③触圧覚の受容器
ア.順応が遅く、強度検出器として機能するもの
メルケル盤(表皮側)
ルフィニ終末(真皮側)
イ.刺激の動きに応じて反応し、速度検出器として機能するもの
マイスネル小体(真皮と表皮の間にある)
毛包受容器(毛の傾きをとらえたり)
ウ.最も順応が早く神堂刺激に反応するもの
パチニ小体(真皮かそうや皮下組織)

④求心性線維
Aβ線維

(2)温度感覚
①温度受容器
温受容器と冷受容器があり
特定の受容器構造を持たない自由神経終末である
②求心性線維
温線維=C線維(Ⅳ線維)
冷線維=Aδ線維(Ⅲ線維)とC線維
③無関温度
温覚も冷覚も起こらない温度(33度前後)
④熱痛覚・冷痛覚
皮膚が45度以上になると、熱痛が生じ
15度以下では冷痛が生じる
⑤逆説的冷感覚
45度以上の温度の時、冷感が生じる現象のこと

(3)痛覚
後述

(4)くすぐったい感じとかゆい感じ
①くすぐったい感じ
刺激が弱く、持続的な場合に起こる(触覚の一種)
②かゆい感じ
皮膚の炎症、外傷、化学的刺激で痛覚受容器が弱く刺激された時に起こる
ヒスタミンが原因物質である

(5)体性感覚の伝導路
①触圧覚
後索路、前脊髄視床路
②痛覚、温度覚
外側脊髄視床路、脊髄網様体路
・脊髄網様体路
側索を上行するニューロンが延髄の網様体に投射し、多くのシナプスを介して視床、視床下部、大脳辺縁系に情報を伝える
③顔面の体性感覚
三叉神経を通って脳幹と脊髄に送られた後、視床を経由して大脳皮質の体性感覚野に伝えられる

■2)深部感覚
目を閉じた状態でも手足の位置や曲がり具合、その動きなどを感じることができる感覚
皮下、筋、腱、筋膜、骨膜、関節などに受容器がある
①運動感覚(固有感覚)
ア.位置感覚
自己の四肢や身体の各部位の相対的位置関係を知る感覚
イ.動きの感覚
運動による四肢関節角度の変化の方向、速度などを知る感覚
ウ.力、重さの感覚
物体を持ってその重さやそれを保持するのに必要な菌力がわかる感覚
エ.受容器
筋紡錘、腱紡錘(腱受容器)、
筋・腱・関節にある機械的受容器
関節包にあるルフィニ小体、パチニ小体

②振動感覚
物体の振動に対する感覚
受容器はパチニ小体
③深部痛覚(後述)

3.内臓感覚
意識にのぼる感覚のこと
■1)臓器感覚
①空腹感
食欲に関する感覚で、血液中のグルコースの低下や飢餓収縮などでおこる
・受容器
視床下部、肝臓、小腸に存在するグルコース受容器
胃の機械的受容器
②乾き
飲水欲に関与する感覚で、体液浸透圧の上昇や、体液量の減少、咽頭の乾燥によって起こる
・受容器
視床下部にある浸透圧受容器
心肺部圧受容器
咽頭粘膜の受容器
③便意
糞便が直腸に入ると感じる
④尿意
膀胱内に尿がたまり、膀胱容積が約150~300ミリリットルになると感じる

■2)内臓痛覚
痛覚で後述

4.痛覚
■1)痛みの分類
(1)痛みの組織別分類
①表在性痛覚(皮膚の痛み)
ア.速い痛みと遅い痛み
痛み刺激は、はっきりとした鋭い局在の明瞭な痛みをまず起こし、ついで鈍い、うずくような、局在のはっきりしない不快な感じを起こす
前者を速い痛み(第一の痛み)、
後者を遅い痛み(第二の痛み)という
イ.受容器と求心性線維
a.高閾値機械受容器
機械的心外刺激にのみ反応
早い痛みを伝える
求心性線維:Aδ(Ⅲ)線維
b.ポリモーダル侵害受容器
機械的温度、化学的刺激など、異なる多種類の侵害刺激に反応
遅い痛みを伝える
求心性線維:C(Ⅳ)線維

②深部痛覚
皮下組織、骨格筋、腱、骨膜、関節などから生じる痛み
一般に局在性が乏しく、持続的な鈍痛
・受容器:自由神経終末
・求心性線維:C(Ⅳ)線維
例)激しい筋運動後や筋循環障害時の筋痛
関節の正常範囲を超えた伸展や、関節縁の時の関節痛

③内臓痛覚
内臓中空器官の過度の伸展や強い収縮、あるいは血流障害、化学的刺激などで誘発される
一般に、局在性が不明瞭で不快感を起こし、時に嘔気や嘔吐などの自律神経症状を伴う
平滑筋は一般に切ったり熱を加えたりしても痛みは起こらない
・受容器:自由神経終末
・求心性線維:C線維

ア.関連痛(連関痛)
内臓や胸膜、腹膜などに異常があるとき、特定の皮膚に感覚過敏や痛みを感じること
例)狭心症の左胸や左腕に感じる痛み
・機序
内臓の感覚情報と体性領域の感覚神経情報が後角で同じ痛覚伝導路のニューロンに収束して起こる

(2)急性通と慢性通
①急性通
傷害の痛みのように、普通傷害部位に限局しており、痛みの強さは傷害の程度に依存する
急性通は組織の障害を脳に伝えて警告する役割を持ち、傷が治ると消失する
②慢性通
慢性的な経過をたどる痛み
傷害が回復した後も、間欠的に痛みを訴えるときもある

■2)内因性発痛物質
①侵害受容器を興奮させて痛みを起こす物質
ブラジキニン
セロトニン
ヒスタミン
カリウムイオン、水素イオンなど
②侵害受容器の感受性を高めて、発痛、増強作用を示す物質
プロスタグランジン
ロイコトリエンなど
③その他
補体は肥満細胞に作用してヒスタミンを算出させたり
壊れた細胞の成分からブラジキニンを産出して発痛に関与する

■3)痛みによる反応
(1)
(2)運動系の反応
(3)自律神経系の反射
(4)内分泌系では、副腎皮質ホルモン、カテコールアミン、バゾプレッシンなどが分泌される
(6)内臓-体性反射の筋性防禦など

■4)痛みの抑制系
(1)脳からの下行性抑制系
脳幹から脊髄に下行し、脊髄後角での侵害情報の伝達を抑制する系
①関与する部位(重要)
中脳水道周囲灰白質
大縫線核(延髄)
延髄傍巨大細胞網様核
②下行性線維
セロトニン作働性線維
ノルアドレナリン作働性線維

(2)内因性鎮痛物質
①内因性オピオイド
中枢神経系において作られる、モルフィン様の物質のこと
例)β-エンドルフィン
メチオニンエンケファリン
ロイシンエンケジャリンなど
②オピオイド受容体
オピオイドが特異的に作用する受容体
中枢神経系に広く存在
③働き
中脳水道周囲灰白質、延髄などに作用して下行性抑制系を賦活したり
後角に直接作用して痛みを抑制

5.特殊感覚
■1)味覚と嗅覚
(1)味覚
①味の基本感覚
・塩味
舌尖部から舌縁部
・酸味
舌縁部
・甘味
舌尖部
・苦味
舌根部
②順応
著名
③受容器
味蕾
ほとんどが舌にあるが、軟口蓋、口蓋垂、咽頭、喉頭にも分布
味蕾の数:1万個
味蕾は味細胞、支持細胞、基底細胞よりなる
味細胞は微繊毛を舌面に向かって出し、細胞基底部では味神経線維とシナプスを形成
水に溶けた化学物質は味蕾の開口部(細孔)から入って味細胞に作用する
寿命は10日ぐらい
④伝導路
顔面神経(舌の前3分の2)
舌咽神経(舌の後3分の1)
→延髄の弧束核でシナプス形成
→大部分が交差
→視床でシナプス形成
→大脳皮質の味覚野

(2)嗅覚
①一般的性質
個人差がある
順応が早い
2種類以上の物質を混合すると第3のにおいが生じる
②受容器
嗅細胞
鼻腔の殿上部に嗅上皮があり、これは嗅細胞、支持細胞、基底細胞、ボーマン腺よりなる
嗅細胞の寿命は約1ヶ月
嗅細胞は1個の神経細胞で、匂い分子を感受して受容器電位を発生させる
③伝導路
嗅細胞
→嗅神経
→嗅球
→嗅索
→側頭葉の梨状皮質
→視床の背内側核
→前頭葉の眼窩前頭皮質

■2)聴覚
(1)聴覚の性質
①音の高さ
音の高さを決定するのは、主として周波数
・可聴範囲:下限15~20ヘルツ
上限2万ヘルツ
・普通の会話の周波数:200~4000ヘルツ
②音の強さ
ア.デシベル
音圧の大きさを示す単位
イ.ホン
主観的な音の強さを示す単位(周波数なども加味される)
ヒトの可聴範囲:4~130ホン
日常会話の大きさ:60ホン前後
ウ.聴覚閾値と周波数
周波数が低いと聴覚閾値が高い(聞き取りにくい)
周波数があがるにつれて閾値が低くなる(聞き取りやすい)
さらに周波数を上げていくと再び閾値が高くなり聞き取りにくくなる
(2)聴覚器と伝導路
①聴覚器の構造と機能
音波
→外耳道
→鼓膜が振動
→耳小骨で増幅
→内耳
→コルチ器官の有毛細胞
ア.鼓膜
外耳道の終端にある
色々な振動数の音に共鳴して、同じ振動数で振動する
イ.中耳
a.振動エネルギーの伝達
鼓膜の振動がツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨に伝わり、前庭窓(中耳と内耳の境)の膜を振動させ、内耳に伝達される
この際、
鼓膜と前庭窓の面積比=15:1と
耳小骨のてこの要素=ツチ骨柄とキヌタ骨長脚の長さの比=1.3:1
とにより前庭窓には約20倍の音圧が加わるようになる

b.鼓膜張筋とアブミ骨筋
・鼓膜張筋の収縮
→鼓膜の張力が増して、振動を減退させる
・アブミ骨筋の収縮
→アブミ骨底を前庭窓から引き離す
・上記2種の筋が収縮することの意義
強い音に対して鼓膜や内耳を保護する

ウ.内耳
a.蝸牛
側頭骨の中にあり、らせん形に巻かれた管
内部は前庭膜と基底膜によって上から、
前庭階、蝸牛管、鼓室階に分けられる
蝸牛管を満たしているリンパを内リンパ、前庭階と鼓室階を満たすリンパを外リンパという
内リンパと外リンパは組成が異なる(含まれウイオンの濃度が違ったり)
b.コルチ器官
蝸牛管の基底膜上にある聴覚受容器である有毛細胞と、複数の支持細胞で構成されている
c.音の伝わり方
前庭窓の振動は前庭階の外リンパに伝わり、これが前庭膜を介して内リンパ・基底膜を振動させる
このことが有毛細胞に覆いかぶさる蓋膜との間に摩擦や圧力が生じ、有毛細胞が興奮する
この際、基底膜の振動は蝸牛頂にある蝸牛孔まで、進行波として進行し、鼓室階の外リンパを介して終端である蝸牛窓から再び鼓室に抜ける

②伝導路
コルチ器官の有毛細胞
→蝸牛神経
→延髄の蝸牛神経核
→いくつかの中継核を経由
→視床の内側膝状体
→大脳皮質の聴覚野

■3)平衡感覚
①概念
身体の傾きや重力の変化、直線運動、回転運動の加速度を感じ取る感覚
②受容器
平衡感覚は内耳の前庭器官で受容されるが、筋・腱・間節などからの深部感覚、足底部の触圧覚、さらに視覚も加わる
ア.球形嚢と卵形嚢
内部には平衡斑がある
平衡斑の表面には受容器である有毛細胞が存在する
その表面はゼラチン様の耳石膜でおおわれ、その中に平衡砂(炭酸カルシウムの結晶)が多く含まれている
このため、重力や直線運動の加速度が加わると耳石膜が有毛細胞に対してずれを起こし、興奮が生じる
球形嚢は上下方向、卵形嚢は前後左右方向の加速度を牽出

イ.半規管
前半規管、後半規管、外側半規管(水平半規管)よりなり、互いに垂直に交わる
各半規管の膨大部の中には膨大部稜があり、そこに受容器である有毛細胞が並ぶ
頭部の回転速度が加わると半規管内の淋巴が回転にともなって流れを起こし、有毛細胞が刺激される

③伝導路
ア.眼球運動、姿勢調節の反射
前庭神経
→延髄の前庭神経核
→外眼筋の運動核、小脳、脊髄
イ.平衡感覚
前庭神経
→延髄の前庭神経核
→視床
→大脳皮質感覚野

■4)視覚
(1)視覚の性質
ア.通光器官
角膜、眼房水、水晶体、硝子体よりなる
イ.受容器
網膜
ウ.視細胞の感受する波長
400~800ナノメートル(可視光線)

①遠近の調節
水晶体の厚みを変えることにより行われる
ア.近くを見るとき
毛様体筋収縮
→毛様体小体弛緩
→水晶体の厚みの増加
→屈折力の増加
イ.遠くを見るとき
毛様体筋弛緩
→毛様体小体緊張
→水晶体の厚みの減少
→屈折力の低下

ウ.ジオプトリ(D)
眼の屈折力をあらわす
焦点距離(メートル)の逆数で示す
a.調節力
調節力=A
人が明視できる最も遠い点(遠点)=F
人が明視できる最も近い点(近点)=N
A=1/N - 1/F
※通常人ではFは無限大に近くなる
例)
・・10歳児
12ジオプトリ(つまり焦点距離=8.3センチ)
・60歳
0.5ジオプトリ()つまり焦点距離=2メートル

エ.屈折異常
正常では遠くの物体の像は水晶体の無調節状態で網膜に商店を結ぶ(正視)
a.近視
遠くの物体の像が無調節で網膜より前に結像
眼球の前後径が長すぎる場合と、水晶体などの屈折率が大きすぎるとが場合がある
凹レンズで補正
b.遠視
遠くの物体の像が無調節で網膜より後ろに結像
眼球の前後径が短すぎる場合と、水晶体などの屈折率が小さすぎるとが場合がある
凸レンズで補正

c.乱視
・正乱視
水晶体の水平方向と垂直方向で屈折力が違う場合
円柱レンズで補正
・不正乱視
角膜の表面が不規則で、光線の屈折も不規則になったもの
コンタクトレンズで補正

②明るさの調節
瞳孔を広げたり縮めたりすることにより調節
ア.瞳孔括約筋
虹彩の中を輪状に走る筋
副交感神経支配
対光反射に関与
イ.瞳孔散大筋
虹彩の中を放射状に走る筋
交感神経支配
ウ.暗順応
暗いところに入り、しばらくすると暗闇に慣れ、光に対する感受性が高まること
最初に錐体細胞で、ついで扞体細胞で起こるが、後者の関与が大きい
20~30分でほぼ一定になる
ロドプシンの貯蔵に要する時間に相当する
a.ロドプシン(視紅)
オプシン(タンパク質)とレチナール(ビタミンAのアルデヒド)の複合体
光を吸収すると瞬時に構造上の変化が起きて、視細胞の興奮を引き起こす
エ.明順応
暗いところから急に明るいところへ出ると、はじめはまぶしいがやがて慣れること
暗順応の消失で、約5分で起こる

③色の感覚(p441)
網膜の視細胞には錐体細胞と扞体細胞とがあり、
錐体細胞には赤、緑、青に最大感度を持つものがある
錐体細胞の集中している中心窩では色彩感覚が強い
扞体細胞の多い周辺部では明暗の桿核が強い

ア.色盲と色弱
・全色盲
色覚がまったくなく、明るさだけを感じるもの
・部分色盲
色覚が一部欠如するもの
赤緑色盲が最も多い
・色弱
色覚はあるが正常よりも劣っているもの

④視野と視力
ア.視野
一つの眼について視軸を固定した状態でその眼で見える空間の汎胃のこと
・鼻側:60度
・耳側:100度
・上方:60度
・下方:70度
a.盲斑(マリオットの盲点)
中心点から外方15度程度の小円形の見えない部分
両眼視では視野が重なり合って盲斑がなくなる
イ.視力
視覚の分解能のことで2点を2点として識別しうる能力
測定にはランドルト環を用いてその切れ目の方向を判定させる
識別できる最小の切れ目に対する視角がA分であるとき、視力を1/Aとする
つまり1分のとき、視力を1とする

⑤眼球運動と両眼視
ア.共同偏視
1眼の内転と他眼の外転のこと
イ.輻輳
両眼が内転すること
物体を注視する際に起こる
瞳孔収縮
ウ.近距離反射(近見反応)
近いものを見るときに起こる反応
水晶体の厚みの増大、縮瞳、輻輳のこと

(2)視覚の受容器と伝導路
①網膜の構造と機能
視覚の受容器である網膜は外側より視細胞層、内顆粒層、神経節細胞層に大きく分けることができる
ア.視細胞
a.錐体細胞
明るいところで働き、色や形を識別する
1眼約6×10^6個
中心窩、黄斑に密集している
b.扞体細胞
薄暗いところで働き、明暗や形を識別する
1眼に約1.2×10^8個
ロドプシンを含む
イ.内顆粒層
双極細胞、水平細胞、アマクリン細胞
視細胞は双極細胞と水平細胞とにシナプス連絡する
双極細胞はさらに神経節細胞にも連絡
アマクリン細胞は双極細胞と神経節細胞に連絡
視覚の主な経路は視細胞ー双極細胞ー神経節細胞である
水平細胞とアマクリン細胞はこれを装飾
ウ.神経節細胞
この細胞の軸索は網膜の最内層を走り、乳頭部からし神経となって眼球を出る
a.視神経
1眼に約10×10^6
趾細胞数10~100個が1本の神経に収束する
中心窩の錐体細胞のみが感覚線維と1対1の対応になっている
エ.色素細胞(色素上皮細胞)
視細胞層の外側
入射した光が反射しないように光を吸収したり視細胞との間での栄養物や代謝物の受け渡しに重要

②視覚の伝導路と中枢機序
ア.主な伝導路
視神経
→視交叉
→視索
→外側膝状体
→視放線
→視覚野
なお、反射に関与する線維は外側膝状体の手前で分かれて、中脳の上丘に達する

イ.視交叉
網膜の内側部(鼻側)より発する線維はすべて対側へ交叉し、
外側部(耳側)より発するものは交叉せずに同側の視索に入る

ウ.経路中の傷害
a.視神経障害
障害側の全盲
b.視交叉における傷害
・両側性耳側半盲
視交叉部の障害で交叉性線維が断たれたときに起こる
下垂体の腫瘍などで起こる
・鼻側半盲
比較的まれであるが、
視交叉の外側に接する内頚動脈の動脈瘤などで生じる
c.視索の障害
同側半盲が生じる(一側の鼻側と一側の耳側の欠損)





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