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鍼灸理論ノート09「関連学説」

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1。サイバネティックスの学説
後述

2.ホメオスタシス
(1)内部環境の恒常性)
①生体を取り巻く外部の環境を外部環境といい、常に変化しながら生体に種々の刺激を送り続けている
②これに対し細胞を浸している細胞外液(組織液、リンパ液、結晶など)を内部環境という
③細胞外液は細胞に必要な物質を届け、代謝産物を運び出すが、細胞に対し常に一定の環境を与えている
④このように内部環境を一定の状態に保つことを内部環境の恒常性といい、クロードベルナールが提唱した

(2)緊急反応の概略
①キャノンは内部環境が恒常に保たれる機構を恒常性保持機能(ホメオスターシス)と名づけた
②生体が内外の刺激を受けると、内部環境を常に一定の範囲内に保つため、種々のフィードバック機構が働くが、その一つに交感神経アドレナリン系の機構があり、キャノンはこれを緊急反応と名づけた
・ホメオスターシスとは生理的標準状態の保持のことである

(3)恒常性保持機能と理療刺激
①疾病は恒常性保持機能の失調である
②疾病の際、物理的、化学的などの刺激を与え恒常性保持機能を働かせて、その失調を取り戻そうとするのであり、その刺激の一つがあはき刺激である

3.汎適応症候群の学説(ストレス学説)
1)本学説の概要
カナダモントリオール大学のハンスセリエが提唱したもので、種々の刺激が下垂体ー副腎皮質系を介して、内分泌系に特徴的反応を起こすものをいう
(1)ストレスとストレッサー
物理的、化学的など生体に対するあらゆる刺激をストレッサーといい、ストレッサーが作り出す生体のゆがみ、ひずみの状態をストレスという

(2)三つの様相(重要)
ストレスを受けた生体は、以下の三つの様相を示す
・副腎皮質の肥大
・胸腺、リンパ系の萎縮
・胃十二指腸の潰瘍
すなわち、副腎皮質の肥大が生体の防御機構に重要なことが伺える

(3)三つの時期と症候群(重要)
ストレスを受けた生体は三つの時期に分類でき、一定の順序に沿った反応を示す
①第1期:警告反応期
a.ショック相
生体がストレッサーに直面した直後で、生体は何の準備もできていない時期
刺激に対する抵抗性の低下、神経系の抑制、体温、血圧の低下、毛細血管透過性亢進、筋緊張の低下、などの反応を示す
この時期は数分から一日ぐらいである
b.反ショック相(交絡抵抗期)
ショック状態に対し、積極的な防衛反応をていしてくる時期
下垂体前葉よりACTHの分泌
→副腎皮質の肥大
→副腎皮質ホルモンの分泌増加
☆特に糖質コルチコイド
→ショック状態から正常な状態の方向へ戻ろうとし始める時期
この時期はストレッサーとなった刺激以外の 刺激に対する抵抗力も高まっている時期

②第2期:抵抗期(交絡感作期)
☆感作:一度経験することにより学習して何らかの判断ができるようになる
副腎皮質は肥大したままで、副腎皮質ホルモンの分泌はさらにさかんとなっていて、ショック反応は消え、反ショック相より安定した状態にある
この時期は、最初に加えられたストレッサーに対する抵抗力は強いが、他のストレッサーに対する抵抗力は弱まっている時期
この時期を交絡感作という

③第3期:疲憊期
・ストレッサーが長く続いたり、強さが強すぎたりするとストレスに対し、反応する能力が低下し適応反応を維持しきれなくなり、抵抗力を失ってショック相と似た状況になってしまう
・この反応の終局は死である

(4)ストレス反応の機構
生体に刺激が加わると、まず緊急反応が起こり、続いて汎適応症候群の状態に移行していく
刺激が生体に加わると自律神経中枢により、交感神経アドレナリン系が賦活し、ついで下垂体前葉ー副腎皮質系が作動する
その時に糖質コルチコイドの働きにより、汎適応症候群の状態が作り出される

(5)適応病
適応病とは刺激に対し、汎適応症候群の状態を作り出す途中に問題が起こり、うまく行かなかったために生じる疾病をいう
適応病には、下垂体前葉や副腎皮質の疾病である一時的なものと、それに引き続く二次的なものとがある
・一次的なもの
クッシング病、シモンズ病、アジソン病など
・二次的なもの
高血圧症、一部の腎臓病、関節リウマチ、胃十二指腸潰瘍、、心臓病、体質的な慢性疾患、マネージャー病、夜勤病など
☆夜勤病:看護師やCAなど

2)本学説の東洋医学との関連
・西洋医学は解剖、生理、病理学的に分析することにすぐれ、東洋医学は機能上現れる症状を総合的に把握することに優れている
疾病とは刺激に対する異常な生体反応である

(1)適応病を起こす3つの条件
①ストレス刺激の強さと、これを受ける期間の長短
②刺激を受ける生体の適応エネルギー
…生命力
③条件づけ因子
…後天的に鍛えられた体力、生活環境、食事など

(2)適応病の条件と東洋医学との関連
①ストレッサーは内因、外因、不内外因の病因のこと
②適応力は先天の原気
③条件づけ因子は後天の原気である

3)本学説とあはき施術
①刺激を与え治療する方法を刺激療法とか変調療法と呼び、抵抗力をこぶし、治癒機転を促進する療法である
②変調療法は人体の防御作用を高め、生体の抵抗力を促進するために下垂体ー副腎皮質系、自律神経系の反応を利用する
③鍼の機械的刺激と、灸の温熱的刺激、あマ指の触圧刺激は、人為的なストレッサーを量的質的に調整しながら加えると考えられる
④田多井吉之介は刺激療法の効果は交絡抵抗によるものが大部分であると述べ、積極的に防衛反応を起こさせると述べている
⑤芹澤勝助は、鍼は交絡抵抗を人為的に作り出し、灸は交絡感作を利用すると述べている
☆交絡抵抗:全般的な抵抗力
交絡感作:特定の疾病に対する抵抗力

4.サイバネティックスの学説
■1)本学説の概要
①アメリカのノーバート・ウィナーにより、提唱された学説で、通信連絡と自動制御に関する理論と技術の研究である
②サイバネティックスの語源はギリシャ語で舵取りという意味である
■2)サイバネティックスとフィードバック
機械の働きは印刷機を例にとって説明すると、同じ印刷物を能率的に作り出すことには優れているが、出来上がり画鮮明であるか印刷もレがないかということは機械の外のことであり、このようなことを開回路という
ウィナーは人間を取り巻く状態について、二つの変量に分けている。一つは制御できない変量であり、もう一つは我々が制御できる変量である。我々は前者からできるだけ多くの情報を得、後者は前者適合するように制御することになる
例えば船にとって風向きや腸瘤などは制御できない変量であり、それに合わせて舵をとることは制御できる変量である
人間は意識的無意識的にフィードバックし、調節する機構がある
これを閉回路という

■3)フィードバック機構
①生体内のフィードバック機構はブラックボックスであるが、次元の異なる制御機構が多層的に存在し、恒常性を保っているのである
②生体内の自動通信と自動制御の方法は神経系統を通じて行われるものと、体液系統を通じて行われるものとに大別できるが、自律神経の中枢である視床下部は、下垂体に豊富な神経線維を送っており、自律神経性調節と
体液性調節が深く関連しアって恒常性を保っているのである
③神経系を通じて行われる調節機構
知覚神経、運動神経、自律神経を通じ、信号が伝えられ、その結果、骨格筋、平滑筋、腺などの効果器に反応を起こさせるが、これらはすべて閉回路である
④体液系を通じて行われる調節機構
神経性の調節は指向性があるが体液性の調節は、非指向性で行われる
⑤神経性、体液性の調整機構は、正のフィードバック、負のフィードバックにより成り立っている

■4)本学説とあはき施術
①あはき施術は疾病のため、異常な状態にある生体の機構に働きかけ、ゆがんだ平衡状態を調整しようとするものである
②あはきは微細な刺激により、フィードバックの賦活を重要な目標とする治療法である
③間中喜雄も鍼のような少量の刺激が著名な臨床効果を表すのはその刺激自身のエネルギーによる作用と考えるのでなく、フィードバックに対し干渉するためと述べている

■5)圧自律神経反射(圧発汗反射の学説
(1)本学説の概要
・圧発汗反射は高木健太郎による、皮膚圧半側発汗現象の研究によるものである
・中等度の発汗状態で側臥位になると、上側(非圧迫側)の発汗は増加し、下側(圧迫側)の発汗は減少する
・実験は立位で腋窩点(腋窩線上で乳頭の高さ)を片側だけ圧迫すると、非圧迫側の発汗が増加した
・両側の腋窩点を同時に圧迫すると、下半身の発汗が増加し、両側の殿部側点(大転子上部)を同時に圧迫すると、上半身の発汗が増加した
・この反応は交感神経系の反射(体性-自律神経反射の一つ)であり、圧迫側の交感神経抑制と非圧迫側の興奮によるものである
・圧自律神経反応
項目 圧迫側 非圧迫側
・発汗 減少 増加
・腋窩温 低下 上昇
・血圧 下降 上昇
・鼻粘膜毛細血管 拡張 収縮

(2)本学説とあはき施術との関係
①あん摩マッサージ指圧が反対側や離れたところの症状に効果を示すことが説明できる
②鍼では巨刺すなわち「病右にあれば左にとり、左にあれば右にとる」との原理を説明できる

■6)過常刺激症候群(レイリー現象)
(1)本学説の概要
・フランス侵襲論学派のレイリーにより提唱された
侵襲論学派とは、生体反応の主役は交感神経が受け持つという思想に立つものである
・レイリー現象とは、自律神経に直接局所的に加えられる、強い各種刺激が、特殊な性質の反射により特に血管運動性の障害を起こし、次いで二次的に種々の程度の障害を生ずるというものである
・自律神経を侵襲する刺激は、どんな刺激でも同様の効果があるが、一般に生理学的実験などで用いられる刺激に比べ、強くしかも持続的なものである
・このように自律神経を侵襲する刺激が何であっても、非特異的で同一方式の障害が起こるが、諸種の疾患により相違した反応の外関をていする理由は、侵襲を受けた自律神経の解剖学的局所、強度、持続の差によるものと考えた
・レイリー現象、緊急反応、ストレス学説はいずれも非特異的症候群に関するものである
生体内外からの各種刺激に対し、レイリーは自律神経が第一義的役割を演じ、内分泌系が第二義的役割を受け持つとした
すなわち、まず交感神経がすばやく反応し、ついで下垂体(前葉)・副腎皮質系などの内分泌系に反応が移行し、持久体制が整えられるという

(2)レイリー現象の4大特性
①血管運動性の障害
交感神経系に加えられた刺激は、主として血管運動性の障害を起こし、二次的に栄養している臓器、あるいは遠隔臓器に障害を生ずる
②加えられた刺激は非特異的である
過剰刺激であれば、何でも良い
③その結果の病変は非恒常性である
生体の感受性、反応形式により、異なった反応が起こる
④障害の拡散、結果的に起こる反応は、刺激を受けた部位と相関がなく、思いがけないところに障害が現れる





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