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ノート・テスト科目一覧

東洋医学臨床論ノート02「頭痛」

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1.現代医学的な考え方
・ 国際頭痛分類第2版(ICHD-2)2003年9月
 第1部:一次性頭痛
1. 片頭痛:後述
  2. 緊張型頭痛:後述
 3. 群発頭痛と他の三叉神経・自律神経性頭痛
 4. その他の一次性頭痛
 第2部:二次性頭痛
  5. 頭頸部外傷による頭痛
  6. 頭頸部血管障害による頭痛
  7. 非血管性頭蓋内疾患による頭痛
  8. 物質またはその離脱による頭痛
  9. 感染による頭痛
  10. ホメオスターシスの障害による頭痛
  11.頭蓋骨、頸、眼、耳、鼻、副鼻腔、歯、口あるいは他の顔面・頭蓋の構成組織に起因する頭痛あるいは顔面痛
12. 精神科的頭痛
第3部:神経痛・顔面痛・その他)
13. 頭部神経痛と中枢性顔面痛
14. 他の頭痛、頭部神経痛、中枢性あるいは原発性顔面痛

■1)注意を要するもの
〔症状〕
①意識障害・片麻痺・言語障害などの神経症状、眼の症状がある場合 ……… 脳出血、緑内障
②頭痛が瞬時に突発、極限で持続、進行性に増悪する場合 ……… 脳出血、脳腫瘍
③早朝に頭痛がひどく、その極限で嘔吐した後、頭痛が軽快する ……… 脳圧亢進症状
〔所見〕 原因や経過により、深部反射の異常や項部強直や病的反射の出現

■2)適応となるもの
①筋収縮性頭痛(緊張型頭痛)、片頭痛などの機能性頭痛
②頭蓋部の神経痛: 大後頭神経痛、小後頭神経痛、三叉神経痛
③原因や程度により、眼・耳・鼻・歯などの異常、頚椎の異常に基づく頭痛

1)筋収縮性頭痛
※ 緊張型の頭痛は後頭部から始まることが多い
〔病態〕頭蓋部・頸部の筋の持続性収縮により発生
〔症状〕
①非拍動性・持続性・絞扼性の慢性頭痛、頭重感
②随伴症状:頸・肩のこり、悪心、めまい感
〔所見〕
①頭頚部・肩部の筋緊張・圧痛・硬結
②筋緊張部の圧迫で軽減
〔治療方針〕
筋の過緊張を緩め、局所の循環を改善し、頭痛の除去を図る。
〔治療法〕
①マッサージ
・筋の過緊張の軽快を図るために、後頚部・肩部・肩背部に軽擦・揉捏・圧迫法を施す。
・頭部の血行調整・神経の鎮静を図るため、頭部の硬結・過敏点に圧迫・強擦法を施す。
・反射・誘導の目的として、上肢へ持続的圧迫・揉捏法、全身への施術を行う。

②鍼 灸
 天柱(僧帽筋)、風池(頭板状筋)、肩井(僧帽筋)、懸顱(側頭筋)など

2)片頭痛(片頭痛型血管性頭痛)
昔の分類ではこれに典型的片頭痛、普通型片頭痛、群発頭痛があった。いずれも血管性頭痛である。
〔病態〕 セロトニンの関与により一旦収縮した血管がリバウンドで拡張する。頭蓋外血管の拡張だが患者は脳内で生じているように感じる。
〔症状〕 
(1)典型的片頭痛
・拍動性・反復性・片側性の頭痛(数時間持続)
  吐き気、嘔吐を伴う。
・前駆症状として閃輝暗点(1分程度)
・若年女性~中年女性に多い。
・騒音や光刺激が増悪因子となり、臭いにも過敏となる。

(2)普通型偏頭痛
一番多く見受けられる片頭痛で、中年女性に多く、前兆はない。持続時間が長いのが特徴。しばしば緊張性頭痛を合併する。

(3)群発頭痛
・20~40歳代の男性に多く、女性の約5倍
・夜間・特に明け方に発生する傾向がある。
・片目がえぐられるように、焼き付くように痛み1時間ほどで軽減する。
・片方の目の充血、流涙、鼻汁をともなう。
・この発作は1日に何回もあり、一旦始まると、数カ月持続する。
・吐き気や嘔吐は伴わない。
★ 片頭痛の増悪因子
 過労、ストレス、チョコレート、ナッツ、チーズ、赤ワイン
★ 薬物療法
 片頭痛 -- エルゴタミン(血管収縮剤)、カルシウム拮抗薬
 群発頭痛 -- 酸素吸入、炭酸リチウム(伝達物質安定化作用)

〔所見〕 顔面の紅潮、結膜の充血、後頭動脈・浅側頭動脈の血管上に圧痛
〔治療方針〕自律神経の調整、血管運動の安定
〔治療法〕
①マッサージ
・肩上部、肩背部、後頚部に筋緊張の緩和を目的に一般的施術を行う。
・分界項線部の圧痛点などの痛む部位に持続的指頭圧迫・強擦法を行う。
 脳戸、玉枕、風府、百会、通天、天柱、風池
・ネーゲリー伸頭法を加える。
☆寛骨付近に指を置いて頚の懸飲
・反射・誘導の目的で上肢をはじめ、全身へ一般的施術。
 手三里、曲池、孔最、合谷
②鍼灸
天柱(後頭動脈)、完骨(後耳介動脈)、和リョウ(浅側頭動脈)、
陽白(眼窩上動脈)

★後頭神経痛と圧痛点について
ア.大後頭神経痛
☆大後頭神経は第2頸神経後枝
 ・外後頭隆起と上項線より上方の後頭部。
・圧痛点:環椎点(環椎外側 天柱穴)→大後頭三叉神経症候群
      項窩点(環軸椎棘突起間 ア門穴)
☆大後頭三叉神経症候群
三叉神経の一部と大後頭神経が軸索でつながっている。そのせいで療法の心敬に神経痛がでる

イ.小後頭神経痛
 ・上記の外側で耳後部との間の後頭部。
 ・圧痛点:環椎傍点(環椎外方部 風池穴)
      乳突点(突起後縁部 完骨穴)
2.東洋医学的な考え方
頭痛には真頭痛(脳腫瘍・脳膜炎・脳出血・くも膜下出血などによる頭痛)と厥頭痛(冷え・のぼせなどによる頭痛)がある。
このうち、理療施術の適応となる厥頭痛を外感性頭痛と内傷性頭痛に分ける。

■1)外感性頭痛
 風・寒・湿・熱などの外邪が身体にを侵入することにより起こる。その特徴は、「急に発病し、疼痛も激しく持続性がある。」
 多くは実証である。
 治療に当っては、外邪の除去によって気血循環を円滑すれば頭痛の緩解が図れる。その際、風池・太陽を主体に取穴し、頭痛の部位と性質を考慮して局所取穴・循経取穴し、瀉法を施す。

(1)風寒による頭痛
〔病態〕 寒邪による血行障害に起因する。
〔主要症状〕 頭痛、項背部に放散、風にあたると増強
〔随伴症状〕 悪寒、発熱、口渇はない
〔舌脈所見〕 舌苔薄白、浮・緊脈
〔治療方針〕 風寒の邪を除去して頭痛を緩解する。
〔治療法〕 風池、太陽、風府、列缺、外関、曲池
☆風池、風府などの働き
外感の風じゃを取り除く(去風)
表の外邪を取り除く(解表)
寒邪を散らす(散寒など)
☆外関の働き
解表の作用
☆曲池の働き
去風、散寒
※ 取穴理由:風池・太陽を主体に外邪の除去を図る。そして「通じれば即ち痛まず」の原則に従い、局所取穴・循経取穴によって経絡の気の疎通を図る。
〔備考〕 部位の面からみた治療法
 太陽経頭痛… 後頭部から項背部にかけて痛む
 陽明経頭痛… 前額部あるいは眉間にかけて痛む
 少陽経頭痛… 両側または一側の側頭部が痛む
 厥陰経頭痛… 頭頂部が痛む

■2)内傷性頭痛
「脳は髄の海」といわれるように、脳は脾・肝・腎の三臓と密接な関係がある。その特徴は緩慢に発病し、疼痛はさほど激しくなく、時々頭痛が起こり疲れると増強する。多くは虚証である。

(1)気血両虚による頭痛(虚証)
〔病態〕
 労倦、飲食不節により脾胃虚弱により気血生成の悪化、病後・産後による気血両虚、出血による気血の損傷 → 清陽の不上昇、栄養不良により頭痛を発現
〔主要症状〕
 頭痛(隠痛)、眩暈、疲れると増強
☆隠痛:緩やかな痛み、我慢できないほどではない
〔随伴症状〕
身体がだるい、無力感、心悸、食欲不振、顔色不華
〔舌脈所見〕
 舌質淡、舌苔白、細脈で無力
〔治療方針〕
 気血を補い、絡脈の通りを改善する。
〔治療法〕
足三里、陰陵泉、三陰交、中、脾兪、太白、上星
※取穴理由 足三里・中(胃の募合配穴)、陰陵泉・三陰交・脾兪・太白などを配穴し、健脾をはかり後天の元気を回復し気血を補う。上星は局所の絡脈の通りを改善して鎮痛を図る。

(2)痰濁による頭痛(実証)
〔病態〕
 飲食不節などにより脾の運化機能の障害 → 清陽の不上昇により頭痛を発現
〔主要症状〕
 前額部痛、頭がぼんやりする
〔随伴症状〕
胸苦しい、胃のつかえ、悪心、嘔吐、泥状便
〔舌脈所見〕
舌苔白膩、脈滑
〔治療方針〕
 痰濁を除去し、絡脈の通りを改善する。
〔治療法〕
足三里、陰陵泉、豊隆、中、百会
※ 取穴理由: 痰濁の生成は脾胃の運化機能の失調と関係がある。足三里、陰陵泉により脾胃の機能を改善し、豊隆は胃経の絡穴で脾経にも通じており、痰濁の除去の要穴とされる。中・足三里の募合配穴で、より痰濁を除去し、絡脈の通りを改善し、鎮痛を図る。百会は頭部の気の巡りを調節する。

(3)肝陽の亢進による頭痛
〔病態〕
 情志の失調 → 肝鬱 → 肝火 → 肝陽の亢進 → 清陽の不上昇  → 頭痛
☆肝鬱:肝気うっ滞
☆情志:精神状態
 一方、肝陰を損傷する結果、腎水不足を招き、肝腎陰虚 → 肝陽の亢進 → 清陽の不上昇 → 頭痛。
〔主要症状〕
 頭痛、眩暈、緊張すると増強
〔随伴症状〕
心煩、怒りっぽい、不眠、脇の痛み、顔面紅潮、 口苦
〔舌脈所見〕
 舌質紅、舌苔薄黄、弦脈
〔治療方針〕
 肝陽の亢進を抑える。
〔治療法〕
 懸顱、頷厭、太衝、太谿、百会
①顔面紅潮・ほてり………内庭を加える。
②心煩が強い場合…………内関を加える。
③目の充血がある場合……関衝より点状瀉血する。

※取穴理由:肝陽亢進の場合、少陽風熱が上部で停滞しやすいため、懸顱・頷厭は局所の経気の疎通を図ると共に、少陽の風熱を除き、鎮痛する作用がある。太衝は肝陽亢進・眩暈の抑制作用があり、湧泉に透刺する。太谿は腎陰を補い肝陽を鎮める作用がある。百会は気機を調節する。

(4)血による頭痛(実証)
〔病態〕
外傷・久病(疾病の長期化)の結果、気血が脈絡において阻滞して頭痛を生ずる。
〔主要症状〕
慢性で固定性の刺すような頭痛
〔随伴症状〕
頭部外傷の既往歴を持つ、または久病歴を持つ
〔舌脈所見〕
舌質紫暗、細・しょく脈(ざらざらとして渋滞したような脈
〔治療方針〕
血を活性化して・血を除去すると、気は巡り鎮痛が図れる。
〔治療法〕
合谷、三陰交、阿是穴
 ※取穴理由:この種の頭痛は、外傷や疾病の長期化によって絡脈に血が停滞する場合が多い。従って、頭痛部位の阿是穴により絡脈の疎通を図ると鎮痛が図れる。更に合谷によって、気の巡りを改善すれば鎮痛が図れる。三陰交によって血を活性化すれば・血の除去が図れる。

(5)腎虚による頭痛(虚証)
〔病態〕
 腎精不足のために髄海が空虚となり頭痛を起こす。
 一方、腎陰虚 → 肝陰不足による肝陽の亢進の結果、頭痛を起こす。
〔主要症状〕
 頭が空虚な感じで痛む。眩暈。
〔随伴症状〕
 腰痛、膝がだるい、精神的疲労、力が入らない、 遺精、帯下、耳鳴り、健忘
☆遺精:精液がもれる
帯下:おりもの
(両方腎のこせつ作用の低下)
〔舌脈所見〕
 舌質紅、舌苔少、細脈で力がない
〔治療方針〕
 腎陰を補って鎮痛を図る
〔治療法〕
 太谿、復溜、関元、腎兪、太陽、百会
※取穴理由:太谿・復溜・腎兪によって腎精を補い、太陽・百会により頭部局所の経気の疎通を図る。





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