R-1ぐらんぷり2018で優勝した濱田祐太郎の視覚障碍者ネタ。
同じ視覚障碍者の立場から見て……。
少し日が経ちましたが、R-1ぐらんぷり2018は見られました化？
優勝した濱田祐太郎さんはほとんど目が見えない視覚障碍者だとか。
実は決勝大会の数日前にYahoo!のニュースでその事を知り、同じ視覚障碍者として密かに応援しておりました。
そして濱田祐太郎さんが優勝、嬉しかったです(^^v
世間の皆さんは濱田祐太郎さんのネタをどういう風に感じておられたんですかね。
最初に人の肩を持って出てきてマイクの場所を教えてもらい、それから挨拶されましたね。
拍手も何もなく、「誰もいないかと思った」って言ってましたが、完全にお客さんはひいてましたね(笑)
痛々しいというか…、どうしていいのか分からずというか…、そんな感情だったのかもしれませんが、視覚障碍者としては普通の行動ですね、私もいつもあんな感じです(笑)
決勝ステージのころにはお客さんも見慣れたのか、最初から拍手が出てましたが、視覚障碍者の日常を認知してもらえたようで嬉しかったです。
…というのが視覚障碍者と世間という枠組みでの私の感想です。
では次にネタについてですが、正直、面白かったですね。
話すスピードと声がいいですよね、ネタ振りもオチも聞こえやすいので分かりやすいし笑いやすい。
一般の人たちはどんな感覚だったのか知りませんが、視覚障碍者の立場で見ると『あるあるネタ』というやつです。
視覚障碍者の日常でよくある事を面白おかしく言ってるネタですね。
「うんうん、あるある♪」と思いながら見てました(笑)
決勝ステージの盲学校ネタはかなりオーバーだったのでちょっと気になるかな。
私も盲学校に行ってましたが、確かに目が悪い人ばかり行ってるんですけど中には黒板の文字を読める視力の人もいるんですよ。
私がそうでした、視力はあるけど視野がないという見え方だったので黒板に書かれた文字を見てノートをとってましたし、もちろんチョークも黒板消しもありましたよ(笑)
面白おかしく脚色してるって理解して見てもらえてたらいいんですけど、盲学校の中って一般の人には入れないし知る事が出来ない場所なので、ネタを足すのはほどほどにしておいてもらいたいかな(笑)
もちろん本当のこともありましたよ。
足音で誰が来たかわかる…なんてのはまさしく真実、毎時間それをいう生徒さんもいましたね(笑)
ネタ全体で考えても本当に面白かったですよ、視覚障碍者の誰もが体験してるネタでしたけどね。
今後の活躍が楽しみな芸人さんが一人増えたので嬉しい限りです。
しかも、視覚障碍者と接する事なんてほとんどないであろう芸人の世界で活躍してくれたら、視覚障碍者との接し方を新たな場所で広げてもらえるでしょうし、2020年の東京オリパラに向けてもとても嬉しいことです。
ただ１つ、本当に残念だと思ったことが…。
優勝後の記者会見のニュース記事を読んだんですが、今後出演したい番組で「すべらない話は？」っていう質問に、松本さんは「ハマダ」という名前の人が全員嫌いなんじゃないですか？って答えてて、ウン、面白いじゃん(笑)
その後、これからは自分だからできる笑いというものもやっていきたいんです、例えば24時間テレビの100キロマラソンとか…。
見えてないのでゴールと反対向きに走ったりしたらウケるかなぁとか…ってな感じのことが載ってたんですが、これはダメね。
狭間寛平がそれをしたら笑いが起こるけど、視覚障碍者がそれをしたら本気で間違えてると思う人がいるだろうから100％の笑いにはならないですよね。
実際の話、マラソン大会でスタートで並んでてもスタートがどっち向きか分からないんですよ(汗)
大まかな方向はガイドさんが教えてくれるんですが、号砲とともに真っ直ぐ走るのはとても難しい、５度や10度くらいの角度のズレはありますからね。
それはいいとして、本当に100キロマラソンを走ってほしいな。
私も走ってる長居わーわーずに来てくれたら視覚障碍者でもマラソンに挑戦できますので、濱田祐太郎さんとお知り合いの方がおられましたらご紹介ください。
視覚障碍者マラソン練習会「長居わーわーず」
http://waawaas.sakura.ne.jp/
