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臨床医学各論ノート12「一般外科」

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Ⅰ 損傷

1、熱傷
 概要:生体に熱が加わったために生じた損傷。
重症度:熱傷を受けた皮膚の表面積と皮膚障害の深さで決まる。
局所障害の程度:熱の種類(火災、熱湯等)・強さ・作用時間、局所の熱伝導度によって決まる。
45℃以下ー細胞障害はない。
45℃~65℃ー熱の作用時間によって細胞障害の程度が決まる。
65℃以上ー蛋白凝固が起こる。
低温熱傷ー触れることが出来る程度の熱さであるけれども、長く触れていると生ずる熱傷。あんか等によって起こる。深度が深く難治性である。
症状
 (ア)局所症状
①皮膚障害の深さによる分類
第1度熱傷(紅斑性熱傷):表皮層に限局するもの、紅斑・疼痛を生じる。
第2度熱傷(水疱性熱傷):真皮層に達するもの。
表在性=発赤・紅斑・疼痛が強度、まもなく水泡ができる、水疱下の真皮が赤味を帯びるもの。
深達性=水疱下の真皮が白味を帯びてる。
第3度熱傷(焼痂性熱傷)):皮下脂肪組織に達するもの、皮膚は壊死して乾燥して硬く弾力がない。
注)疼痛は皮膚の残存する第1度・第2度の方が第3度より強い。 低温熱傷は第3度熱傷の事が多い。2・3度では易感染性。
 ②皮膚障害の面積
一般に熱傷の重症度は深達度よりも熱傷面積に左右されことが多い。熱傷面積が体表面積の1/3以上であれば生命は危険である、小児では1/6でも危険である。体表の1/10以上の熱傷は重症である。
注)体表面積の「9」(小児では6)の法則
 頭部=9%、腹部=9%×2×2、上肢=9%×2、下肢=9%×2×2、胸部=9%×2、陰部=1%
熱傷により凝固壊死した組織は焼痂を作る。第2度までは1週間以内に回復する。第3度では2週間ぐらいから肉芽組織ができはじめ3週間で完成する。
 ③感染
膚の感染防御機構が失われるため必発する、敗血症となることもある。最初はブドウ球菌等のグラム陽性菌の感染が多く、後に緑膿菌・大腸菌等のグラム陰性菌桿菌の感染が多くなる。
 (イ)全身症状
 ①循環血漿量の減少
 細胞外液量、その代表的な循環血漿量が熱傷により滲出液として水分が失われるためである。これにより時に熱傷ショックを来すことがある。
②低蛋白血症
 滲出液に多量の蛋白が含まれるため血漿蛋白が喪失、また、摂取蛋白量も減少することが多いので一層低蛋白血症を増強する。低蛋白血症は感染防御上からも危険な状態となる。
③溶血
熱の直接作用による。溶血の結果、ヘモグロビン血症・ヘモグロビン尿症を呈する。一時的に貧血を呈することもある。
④心筋収縮力の低下
組織の壊死分解によって産生された毒素によるとされている。
⑤呼吸器障害
 咽喉頭・声帯などに発赤・腫脹・嗄声等の出現。広範囲の熱傷後3~5日で呼吸障害を起こすこと がある、これは主に体液変動によるもので、侵襲後肺不全症とも呼ばれ1種のショック肺と考えられている。
⑥消化器症状
一過性にイレウス症状や急性出血性胃十二指腸潰瘍(熱傷後の潰瘍をカーリング潰瘍という)の出現を見ることがある。消化管粘膜の循環不全や熱傷によるストレスが原因と考えられている。早期に一過性のイレウスの出現することがある。
⑦腎障害
 治療
①全身療法と救急処置
気道の確保・酸素吸入・静脈確保と輸液・導尿胃管挿入・感染予防・鎮痛等
 注)静脈の確保
 体液の変化が著しいので、輸液を行う。当初は水分と共に蛋白・ナトリウムを含む高張のリンゲル液を補給する、受傷後48時間後は電解質を含まない5%ブドウ糖液を補給。盗血により貧血が起こって来た時は要輸血。
②局所療法
・表在性の限局性熱傷では、直ちに流水等で局所を30分から数時間冷却すること。冷却は障害が深部へ波及することを阻止し、水疱形成を抑止し鎮痛効果がある。
・第2度熱傷では創面を滅菌した後、開放的に乾燥痂皮を作らせて痂皮の下に表皮の形成を促すようにする。
・第3度熱傷では、微温生理的食塩水で熱傷面を洗浄し後、抗生物資軟膏をガーゼにのばして創面を覆い包帯する、水疱は切除しない方がよい。
皮膚欠損部は植皮による修復が必要となる。植皮は手背・足背・四肢関節部など機能的に重要な部位に拘縮の予防のために優先的に行う。眼瞼及びその周囲も感染や眼瞼外反による角膜潰瘍などで失明の恐れがあるので優先的に植皮する。

Ⅱ 外科的感染症

1.猩紅熱
 原因:A群溶血性レンサ球菌(溶連菌)が飛沫感染して口蓋扁桃を侵し毒素を出すため,咽頭痛・高熱・発疹を主症状とする小児に多い伝染病。 
 疫学:好発年齢は5歳をピークとする小児で,保育園や小学校で集団発生することがあり,学校伝染病の一つ.流行季節は晩秋~春であるが都会地では一年中発生する.
 症状:潜伏期間は2~5日.咽頭痛で始まり悪寒がして39℃前後に発熱する。初期は食欲不振が強く嘔吐も見る.口蓋扁桃が赤く腫れ陰窩に膿栓や膿苔出現。第1~2日め直径1~1.5mmの紅い発疹が密出現,
治療
 ペニシリン系の抗生物質が効き,症状は2~3日で消えるが,溶連菌の根絶は容易でなく,アンギナを再発したり保菌者となりやすいので,2週間の内服治療が標準。治療終了後に咽頭粘液の検査を2~3回する。
 合併症:回復期に口角炎やアンギナの再発をみることが多く,まれに猩紅熱腎炎やリウマチ熱をみる。

2.破傷風
 ・破傷風菌が外傷部から侵入して増殖し、産生された外毒素が中枢神経を障害する痙攣性疾患である。潜伏期は4~5日。
 ・破傷風菌
 嫌気性桿菌で、特に芽胞型では抵抗性の弱い菌であり、広く表層性土壌中に存在している。破傷風毒素は、神経系統特に中枢運動神経に対して特殊な親和性を有する。毒素は感染創から血行性又は直接末梢神経を伝い、主に延髄・脊髄に達し運動神経細胞と結合する。破傷風菌そのものは創傷部付近に留まる。
 症状
 緊張性痙攣が顔面(痙笑=破傷風顔貌=痙攣笑い、泣いているか笑っているか判らない顔貌)から躯幹・体肢へと広がる。
音・光・振動等のわずかな刺激で発作を生じる。
開口障害(牙関緊急)・嚥下障害・発語障害・全身筋肉の強直を生じる。意識は明瞭である。
全身痙攣のないものは殆ど死亡しない。
 治療
 創傷部の洗浄、異物・壊死組織の除去、破傷風免疫ヒトグロブリンの筋注、馬血清の抗毒素の点滴静注。

3.百日咳
 原因:百日咳菌によって起こる急性の気道感染症で長期間持続する咳嗽発作を特徴とする疾患である.
 症状
 潜伏期は6~20日である。
カタル期=鼻汁・咳嗽(夜間に強い)を見る。(1~2週) 
痙咳期=激しい痙攣性のせきが連続して起こる。(2~4週)
回復期=1~2週を経て軽快する。せきは夜間に多い。
 合併症:無気肺、肺炎、中耳炎、脳出血、意識障害、痙攣
 治療:鎮咳薬に加え水分の補給を行う.抗生物質はエリスロマイシン,アンピシリン,ラタモキセフ等

4.狂犬病
 ・狂犬による咬傷で、ウィルスが侵入し中枢神経を障害する、潜伏期は3~8週間。日本での発症は殆どない。
 症状
 咬傷部から中枢に向かう疼痛・精神変調・呼吸障害嚥下障害・発声障害・液体嚥下時の痙攣とそれに伴う恐水発作、唾液分泌亢進・全身筋肉の痙攣、せん妄・幻覚・興奮、全身の弛緩性麻痺から呼吸障害により死亡する。
治療
 咬傷部の切除・焼灼、ワクチン接種、狂犬病免疫ヒト血清の注射。
 発症したものには無効で対症療法しかない。予防法として犬に対する予防接種。

5.エイズ(後天性免疫不全症候群)
 原因
 ヒトレトロウイルスの一種であるレンチウイルス科のHIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染症の終末像である。
細胞性免疫が荒廃し,種々の日和見感染症や悪性腫瘍,HIV脳症が生じてきた病態をさす。
 感染経路:性交渉,輸血,血液製剤使用,妊娠中の母子感染(→垂直感染)などが知られている。
 病理像
 HIVはヘルパー/インデューサーT細胞(CD4細胞)に対する親和性が高く,これらの細胞に感染して破壊するため細胞性免疫の荒廃が生じる。
 症状
 日和見感染症:カリニ肺炎,肺外クリプトコッカス症,サイトメガロウイルス感染症,カンジダ症,非定型抗酸菌症,クリプトスポリジウム症,肺外結核症等
 悪性腫瘍:非ホジキンリンパ腫、特にB細胞性悪性リンパ腫が高頻度である。カポジ肉腫(血管内皮過形成病変に伴うと考えられる赤紫色から黒褐色の斑や丘疹)
 神経症状:HIV脳症、痴呆・運動麻痺・錐体外路症状・痙攣等出現。
 日和見感染症に伴う神経症状:トキソプラズマ・クリプトコッカス・サイトメガロウィルス・ヘルペスウィルス・パポバウィルス等が起因微生物
 末梢神経障害:急性・慢性の炎症性脱髄性多発性根末梢神経障害として発症することがある。
 検査
 HIV抗体検査が陽性であり細胞性免疫の低下による日和見感染症や悪性腫瘍(指標疾患)が認められること,
 HIV抗体検査が陰性もしくは判定保留でも免疫不全を起こす他疾患に罹患しておらず,かつ指標疾患がありCD4+T細胞(T4細胞)が400/mm3以下であれば確定される。
 治療法
 延命効果が証明されているAZT(アジドチミジン)、ddi(ジデオキシノイシン)が用いられているが予後は不良である。その他、αインターフェロン、ST合剤(サルファメトキサゾール・トリメトプリウム合剤=カリニ肺炎に対するもの)等がある。

Ⅲ、外科的特異炎症

 概念
 病原体感染によって生じる病変が特異的であるものをいう。
これらは肉芽組織を形成する共通点があり、結核・癩・梅毒・放線菌症・サルコイドーシスが挙げられる。

1.結核

2.癩病(1996年以降ハンセン病となっている)
 病原菌はらい菌(抗酸性桿菌)
 症状による分類
 らい腫型=大きさが種々の丘疹・小結節が多発して顔面・四肢などに対称性に分布する。
 類結核型=皮膚に辺縁の隆起した円形で赤みを帯びた浸潤が散発し、その部分の知覚鈍麻がある。
 上記2型は尺骨・正中・橈骨神経等が肥厚しその領域の知覚や運動の障害が見られる。
 未分化群=色素脱出斑や紅斑を生じ、発疹部の知覚が鈍麻する。
 境界群=らい腫型と類結核型との中間のもの。皮疹よりらい菌を検出し確定診断ができる。

3.梅毒
 梅毒トレポネーマ感染によって起こる慢性全身性疾患。
感染経路=性交感染・母子感染
 症状
 第1期:感染の機械があってから3週間後に局所に初期硬結を生じ、潰瘍を作り硬性下疳となる。
 多くは数週の内に自然治癒すると共に所属リンパ節の無痛性腫大(無痛性横痃)を生じる。
 血清梅毒反応(カルジオルピン抗原による、生物学的擬陽性反応が出やすい)が陽性となる。
 第2期:感染後3ヶ月に全身倦怠感・食欲不振・発熱・発疹を見る。発疹は、バラ疹・丘疹・膿疱(扁平コンジローマ)等である。
 第3期:感染後3年後に皮膚や粘膜に大型の結節やゴム腫(皮膚以外は、肝臓・精巣・大動脈・骨膜にできる)を生じ,壊死して瘢痕を残して治癒する。
第4期:感染後10~15年して変性梅毒の形を取り進行性麻痺・脊髄癆となる。
 治療:ペニシリンが用いられる、第3期の壊死巣に対しては外科処置が行われる。

4.放線菌症
・放線菌(糸状菌に属する)の感染によって発症。放線菌は口腔内・消化管内に常在し、ヒトの抵抗力が弱まったときに侵入して発症する。
・慢性化膿性肉芽腫疾患で膿瘍を形成し、瘻孔・瘻管を形成する。好発部位は、顔面・頸部・胸部・腹部





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