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臨床医学総論ノート09「臨床検査」

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■1)検査対象による分類
(1)生体検査(生理機能検査)
患者自身に対して行う検査
・電図系統
心電図、筋電図、脳波
・バイタルサイン系
心音図、脈波、血圧、体温
・X線検査、CT、MRI
・その他
肺機能検査(スパイ路メータ)など
(2)検体検査(臨床病理検査)
患者から得られる検査材料(検体)について行う検査
・一般検査
尿検査、検便、髄液、消化液
喀痰
・血液検査
・免疫血清学的検査
抗原や抗体などの検査
・生化学的検査
コレステロールや酵素など
・細菌学的検査
・病理学的検査
生検:病的な部分を摘出し標本を作って検査する
剖検:死後に解剖して病的変化を確認する
細胞診:患者の分泌物を標本にして検査する

1.一般検査
■1)尿検査の概要
原則として早朝の起床直後に採尿する。
1)尿量
(1)正常値
 成人:1~1.5l/日
 6~12才:0.6~1.4l/日
 1~6才:0.3~0.6l/日
(2)異常
①乏尿:500cc以下/日
 脱水症、心不全、急性腎不全、ネフローゼ症候群の初期
②無尿:100cc以下/日
 水銀中毒、鉛中毒、尿毒症
③多尿:常に2000cc以上/日
 尿崩症、糖尿病、慢性腎疾患、多飲

(3)排尿異常
①尿閉:膀胱にたまった尿が排泄できない状態。
 前立腺肥大症、尿道狭窄、神経因性膀胱、膀胱麻痺
②頻尿:排尿回数が多い状態。1日に6回以上
 膀胱炎、前立腺肥大

2)尿色調
(1)正常
 淡黄褐色(わら色)
(2)異常
①褐色ないし赤色:血色素尿、血尿
②黄褐色ないし橙黄色:黄疸尿(あわも黄染される)
③尿混濁:尿路感染症

3)尿比重
 尿の濃縮力の指標で、尿中に溶解している全溶質の濃度を反映する。摂取した水分や汗の量により大きく変化する。
(1)正常値》
 1.005~1.030(平均1.015)
(2)異常
①低比重尿:1.005以下
 尿崩症、糸球体腎炎、腎盂炎、慢性腎炎、萎縮腎
☆多尿で尿比重が低くなければ糖尿病が疑われる
②高比重尿:1.030以上
 発熱、脱水、糖尿病、ネフローゼ症候群、うっ血性心不全

4)尿pH
(1)正常値
 平均6(4.5~8)の弱酸性
(2)異常
①酸性尿:発熱、疲労、糖尿病など
②アルカリ性尿:血尿、細菌尿、激しい嘔吐

5)尿蛋白
(1)正常値
 20~150mg/日
 正常でも微量の蛋白を尿中に排泄しているが、通常の検出法では検出できない。
(2)異常
①腎性蛋白尿
 ア.糸球体性蛋白尿:糸球体障害によるアルブミン尿
  ネフローゼ症候群、腎炎
 イ.尿細管性蛋白尿:尿細管の再吸収障害による
  重金属中毒、薬剤性障害、尿細管性アシドーシス
②腎外性蛋白尿:尿路結石、膀胱炎

 ※起立性蛋白尿:起立時にのみ蛋白尿が現れる。
 ※仮性蛋白尿:尿に月経血や精液が混じったもの
 ※生理的蛋白尿(無症候性蛋白尿)
  激しい運動後、入浴、精神感動、妊娠時

6)尿糖
(1)正常値
 健康成人で1日あたり60mg程度排泄されるが、通常の検査法では検出されない。
(2)異常
①高血糖性糖尿(血糖値170mg/dl以上)
 糖尿病、肝硬変、急性膵炎、バセドウ病、クッシング症候群、  下垂体機能亢進症、ストレス
②正常血糖性糖尿:腎性糖尿

7)尿中ビリルビン
(1)正常値
 正常では検出されない。
(2)異常
①黄疸尿:閉塞性黄疸(直接ビリルビンの増加)

8)尿中ウロビリノーゲン
(1)正常値
 ウロビリノーゲンは正常でも少量が尿中に存在する。
(2)異常
①増加:肝細胞性黄疸、溶血性黄疸、頑固な便秘など
②減少または消失:閉塞性黄疸、下痢など

9)尿中ケトン体(アセトン体)
 ケトン体とはアセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸の総称で、アセチルCoAから生成される代謝産物である。
(1)正常値
 ケトン体は、正常でも僅かに尿中に排泄される。
(2)異常
①尿アセトン陽性:飢餓、重症糖尿病、脱水
☆TCA回路が正常に働いていないときに、アセチルCoAが完全に解糖されずにケトン体で止まってしまう

10)尿沈渣
 新鮮尿を遠心沈殿し、上清を除いた残りの沈殿物を鏡検する方法で、腎・尿路系疾患の診断に用いられる。
(1)異常
①赤血球・赤血球円柱:各種腎障害、尿路結石
②白血球・白血球円柱:腎盂炎、尿路感染症
③細菌尿:腎盂腎炎、腎膿瘍、膀胱炎、尿路感染症
④腎上皮増加:腎臓腫瘍
☆血球柱:血球芽尿管などの管の形に円柱型に変丙したもの

■2)糞便検査の概要
固さや色などの外観、潜血反応、細菌や寄生虫、シュミット反応(胆汁色素の定性反応)などの有無をみる。
(1)潜血反応
少量の消化管出血を調べる方法で、便に血液が含まれていると陽性とする。
消化性潰瘍、メッケル憩室、潰瘍性大腸炎、消化管腫瘍
(2)寄生虫
蟯虫(卵)、条虫、回虫などを検査する。
(3)色調の異常
①灰白色の無胆汁便:胆道の完全閉塞
②タール便:上部消化管出血
③潜血便・血便:下部消化管、肛門の出血

■3血液検査の概要
(1)赤血球系の検査
①赤血球数の正常値(万/mm3)
成人男子:400~540
成人女子:380~490
②血色素量の正常値(g/dl)
成人男子:13.5~18.0
成人女子:11.0~15.0
③ヘマトクリットの正常値(%)
成人男子:40~54
成人女子:35~47
★赤血球数、血色素量、ヘマトクリットの異常
①低下:貧血、大量出血、白血病、栄養障害、寄生虫病
②増加:多血症(赤血球増多症)、脱水、慢性酸素欠乏
・慢性酸素欠乏ではエリスロポエチンの分泌増加で赤血球がたくさん産生される
★平均赤血球容積(MCV)
赤血球1個あたりの平均体積を示す。ヒト赤血球の正常値は77~93μm3である。
①減少:小球性貧血=鉄欠乏性貧血
②増加:大球性貧血=悪性貧血
☆悪性貧血ではビタミン不足により赤血球の成熟が阻害される。未熟な赤血球は大きい
★平均赤血球血色素濃度(MCHC)
個々の赤血球の容積に対する血色素重量の比を示すもので、成人の正常値は31~35%。
★平均赤血球血色素量(MCH)
個々の赤血球中に含まれる平均血色素量を表したもので、成人の正常値は27~32pg。

④網赤血球(新生赤血球)
・正常値
 正常網赤血球数 0.3~1.1%
・異常
 増加:溶血性貧血
 減少:再生不良性貧血

⑤赤血球の形態異常
・球状赤血球:遺伝性球状赤血球症など
・鎌状赤血球:鎌状赤血球貧血
・破砕赤血球:溶血性尿毒症症候群など

(2)白血球の検査
①白血球数の正常値
成人:4,500~9,000/mm3
☆出生時18000、1歳で1100、4際で9000程度
ア.異常
・増加:10,000以上
感染症(特に細菌感染)、熱傷、心筋梗塞、悪性腫瘍、白血病、糖尿病、炎症性疾患、アレルギー性疾患、膠原病
・減少:4,000以下
骨髄障害、薬物中毒、免疫不全、ウイルス性疾患、膠原病、周期性好中球減少症
☆麻疹など特定のウィルスで減少
☆全身性エリテマトーデスなどの特定の膠原病で減少

②白血球分画の正常値
・好中球:50~60%
・好酸球:2~3%
・好塩基球:0~1%
・単球:4~5%
・リンパ球:30~40%
ア.異常
・好中球の増加:急性感染症、炎症性疾患、外傷など
・好酸球の増加:アレルギー性疾患、寄生虫病など
・単球の増加:膠原病、白血病など
☆単球性白血病というのがある
・リンパ球の増加:ウイルス感染症、リンパ性白血病など

(3)血小板数
・正常値
 成人:約26万/μl
・異常
増加:慢性骨髄性白血病、川崎病、鉄欠乏性貧血
減少:骨髄障害、急性白血病、特発性血小板減少性紫斑病、肝硬変、脾臓機能亢進症

(4)赤血球沈降速度(赤沈、血沈)
①正常値
10mm未満/1h (女子:6~10mm、男子:1~5mm)
②異常
・亢進:血沈速度が速くなる。
感染症、貧血、白血病、腎疾患、膠原病、悪性腫瘍、
糖尿病
・遅延:赤血球増多症、DIC(播種性血管内凝固症候群)

(5)出血時間の検査
耳たぶをランセットで切り、止血するまでの時間を測定する。正常では5分以内に止血する。
出血時間の延長:血小板減少症、血小板機能不全

(6)血液凝固の検査
☆内因性凝固因子:血漿に由来するもの
外因性凝固因子:組織に由来するもの
①血液凝固時間
静脈血を採血し、血液の流動性が消失するまでの時間を測定する。
・正常値
8~12分
②活性部分トロンボプラスチン時間(APPT)
被検血漿に部分トロンボプラスチンとCa2+を加えて凝固時間を測定する。内因性凝固因子を総合的に検査できる。
・正常値
 30~40秒
③プロトロンビン時間(PT)
被検血漿にCa2+と組織トロンボプラスチンを加えて凝固時間を測定する。外因性凝固因子を総合的に検査する方法である。
・正常値
 10~12秒
④血液凝固異常をきたす疾患
血友病、DIC、肝疾患など

■4)髄液検査の概要
(1)髄液圧
・正常値
側臥位で50~180mmH2O
・異常
 亢進:脳腫瘍、髄膜炎、脳炎、水頭症など
(2)外観
・正常
水様性、無色透明
・異常
①血性:赤色または黄色(キサントクロミー)
②混濁:髄膜炎など
(3)細胞数
・正常値
5/mm3以下
・異常
①単球の増加:ウイルス性髄膜炎、悪性腫瘍の髄膜浸潤
②顆粒球の増加:細菌性髄膜炎
(4)髄液タンパク
・正常値
15~45mg/dl
・異常
増加:髄膜炎、脳炎、クモ膜下出血、ギラン・バレー症候群
(5)髄液糖
・正常値
50~70mg/dl
・異常
低下:細菌性髄膜炎
☆髄液に巣くう最近が糖を消費する

■5)その他の検査(教科書にはない)
(1)喀痰検査
痰の性状、病原体や血液の有無をみる。
・異常
呼吸器の炎症や癌で出現する。
①黄色~緑色で膿状:感染症
②錆色痰:大葉性肺炎
③血痰:肺結核、肺ガン
④シャルコー・ライデン結晶:気管支喘息
☆痰を顕微鏡で観察すると血漿が見られる
(2)アレルギー皮膚反応
①皮内反応
 疑わしいアレルゲンを皮内に注入し、その後の反応をみる。花粉、薬剤などで起こる迅速反応と、ツベルクリン反応に代表される遅延反応がある。
②パッチテスト
接触性皮膚炎や薬疹の原因物質(抗原)を調べる検査で、抗原を塗布し24~48時間放置後、発赤があれば陽性とする。

(3)関節液の検査
・正常
アルカリ性、黄色透明または少しの濁りあり。
膝関節で0.5ml。
・異常
①増加:変形性関節症
②膿状:化膿性関節炎
(4)消化液の検査
胃液や十二指腸液を検査する。潰瘍・胆道疾患の有無などがわかる。





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