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解剖学ノート04「内臓系」02消化器系

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2.消化器系
消化管と消化腺に分類される
・消化管:口腔、咽頭、食道、胃、小腸、大腸
・消化腺:唾液腺(口腔腺)、胃腺、肝臓、膵臓、腸腺

1)口腔
(1)口腔
①位置
顔面の前下部にある
前は口裂により外界に続き、後ろは口峡により咽頭に続く
②区分
口腔前庭と固有口腔に分ける
・口腔前庭:歯列、歯槽部の前外側の部。口腔および頬粘膜と歯の間
・固有口腔:歯列、歯槽部の後内側の部
③構造
ア.口腔粘膜
・粘膜上皮は重層扁平上皮
・口唇・頬・軟口蓋を覆う部派やわらかく、歯槽部・硬口蓋を覆う部はかたい
・歯槽部を覆う部を歯肉(粘膜と結合組織)という。歯肉とは一般に言う歯茎のこと
・舌の下面正中から歯肉にかけてある粘膜のひだを舌小帯、口腔底で舌小帯の外側にある粘膜の小さな隆起を舌下小丘、その後外側の細長い隆起を舌下ヒダという
(2)口唇
上を上唇、下を下唇という
上唇と下唇の間を口裂
上唇と下唇の結合部を口角
鼻翼から口角に向かう溝を鼻唇溝
下唇とオトガイの境を横に走る溝をオトガイ唇溝
上唇の外面正中にある浅い溝を人中という
上唇、下唇の内面正中を歯肉に向かって走る粘膜のひだを上唇小帯、下唇小帯という
①構造
口唇の外面は皮膚、内面は粘膜・その間に口輪筋などの筋肉。皮膚と粘膜の移行部を口唇縁(赤色唇縁または赤唇縁)という
(3)頬
①構造
外面は皮膚、内面は粘膜
皮膚と粘膜の間に頬筋、頬骨筋、笑筋などの筋肉がある
(4)歯
上歯列弓と下歯列弓を作る
①乳歯と永久歯
乳歯は6~8ヶ月で生え始め、2~3年ではえそろう
7~8年で永久歯と生え変わる
②歯の数と名称(重要)
・乳歯:20本
上下それぞれ内側(正中)より順に内側切歯、外側切歯、犬歯、前の乳臼歯、後ろの乳臼歯の5種類がある
・永久歯:32本
上下それぞれ内側より順に、内側切歯、外側切歯、検視、第1小臼歯、第2小臼歯、第1大臼歯、第2大臼歯、第3大臼歯
第3大臼歯のことを智歯(親知らず)ともいう
③歯の各部の名称
・歯冠:外部に現れている部
・歯根:上顎骨、下顎骨の歯槽に入っている部
・歯頸:歯冠と歯根の移行部
・歯髄腔:内部の空洞
・歯根尖:歯根の先端
・歯根尖孔(歯尖孔):歯根尖にあく孔
・歯根管:歯根の中にある管で、歯髄腔と歯根尖孔を連ねる
④歯の形態(p193の図参照)
・切歯:歯冠は四角板状。歯根は単一で円錐形
・犬歯:歯冠は牙状にとがる。歯根は単一で、長い円錐形(最長の歯)
・小臼歯:歯冠の咬合面に頬側・舌側の二つの高まりを有する・歯根は通常単一
・大臼歯:歯冠の咬合面は十字形の溝で、四つの高まりを作る。歯根は2~3、4本に分岐する

歯冠の表面はエナメル質よりなる。この組織は人体中最も硬くほとんどがカルシウムを含む無機質である
歯の主体は象牙質よりなり特殊な骨組織である
歯根の象牙質はセメント質という特殊な骨組織の薄い膜に覆われている
セメント質と歯槽の骨壁を結び付けている線維性結合組織を歯根膜という(この歯槽と歯との結合を釘植)
歯髄は歯髄腔の中にあり、結合組織よりなる
歯髄腔から象牙質に象牙細管が放射状にあき、この中に歯髄にきている神経が入る

(5)口蓋
硬口蓋と軟口蓋に分類
①硬口蓋
口蓋の前3分の2を占め、内部は骨口蓋よりなる
☆骨口蓋:上顎骨口蓋突起、口蓋骨水平板
②軟口蓋
口蓋の後ろ3分の1を占め、内部は口蓋筋よりなる
・口蓋筋
口蓋帆張筋、口蓋帆挙筋、口蓋垂筋、口蓋舌筋、口蓋咽頭筋
・これらはすべて横紋筋であり、収縮により軟口蓋を動かして後鼻腔の開閉、口峡の拡大・縮小を行う
・軟口蓋のことを口蓋帆という
・軟口蓋の後縁を口蓋垂という
・軟口蓋から下に向かって各側2個の粘膜のヒダがある
前にあって舌根に向かうものを口蓋舌弓
後ろにあって咽頭に向かうものを口蓋咽頭弓という
・口蓋舌弓は口蓋舌筋による隆起であり、
口蓋咽頭弓は口蓋咽頭筋によるりゅうきである
・口蓋舌弓と口蓋咽頭弓との間に口蓋扁桃がある
・口蓋粘膜の正中には、胎生時に左右の口蓋が癒合した痕跡である口蓋縫線がある

(6)舌
①区分
・舌体:舌の前3分の2
・舌根:舌の後ろ3分の1
・舌尖:舌の先端
・舌背:舌の上面(舌の下面には特別な名称はない)
・舌正中溝:舌体背面(舌背)正中の溝
・分界溝(重要):舌の背面で舌体と舌根の境にあり、前方に開いたV字形の溝
・舌盲孔:分界溝の頂点にあり、胎生時に甲状腺が落ち込んで生じた甲状舌管のなごりである
・舌小帯:口腔粘膜を参照
・舌根背面に舌扁桃がある
②舌乳頭(重要)
舌体の背面にあり、四種類ある
舌乳頭があるため、舌体の背面は平滑でない

a.位置、b.形態、c.数、d.色、e.機能
ア.糸状乳頭
a.舌体の背面全体
b.先端の別れた糸状。全体ではビロード状
c.無数
d.表面が角化(角質化、ケラチン化)するので白く見える
e.なめとる
★角化とは皮膚または粘膜の表面が角質(ケラチン)になることをいう
イ.茸状乳頭
a.舌体の背面全体
b.先端の丸い茸状。大きさは針の頭大
c.無数
d.表面が角化せず、中の血液が透けて見えるので赤く見える
e.触覚に関与
ウ.有郭乳頭
a.分界溝の前に並ぶ
b.円板状の周りに溝がありその周囲が底帽状に盛り上がる
c.各側数個
d.-—–ーー
e.味蕾を有し、味覚に関与
エ.葉状乳頭
a.舌体の背面、外側縁後部
b.細長いヒダ状
c.各側数個
d.-—–ーー
e.味蕾を有し、味覚に関与。しかし人類では退化している

★味蕾がない部でも味覚を感じるのは、舌に来ている神経が刺激されるため

③舌筋
すべて横紋筋
第12脳神経の舌下神経の支配を受ける
内舌筋と外舌筋に分ける
ア.内舌筋
舌内より起始し舌内に停止する
筋線維の走行により次の三つの筋を区別する
☆縦舌筋、横舌筋、垂直舌筋
イ.外舌筋
舌外より起始し舌内に停止する
以下の3筋を区別する
・舌骨舌筋
舌骨より起始
・オトガイ舌筋
下顎骨より起始
・茎突舌筋
側橈骨茎状突起より起始

(7)唾液腺(口腔腺)
粘液性の唾液を分泌するものを粘液腺
漿液性の唾液を分泌するものを漿液腺
前二者の中間型を混合腺
唾液腺はすべて混合腺
大唾液腺(大口腔腺)と、小唾液腺(小口腔腺)に分ける
①大唾液腺(大口腔腺)
分泌部は粘膜から離れており、導管で口腔に開口する
ア.耳下腺
大唾液腺中最大
・位置
外耳道の前、咬筋の表面
上は頬骨弓、下は下顎角、後ろは下顎後窩(下顎枝と胸鎖乳突筋の間)
・導管
耳下腺管という
各側一本
頬骨弓の下、咬筋の表面を前に走り、上顎第2大臼歯に面する頬粘膜を貫き口腔前庭に開口する
・導管の生体観察
頬骨弓の下1センチ、咬筋の表面で触れる
・構造
漿液性の複合胞状腺

イ.顎下腺
・位置
顎下三角
・生体観察
顎下三角で梅の実大の顎下腺を触れる
・導管
顎下腺管という
各側一本
固有口腔の舌下小丘に開口する
・構造
混合性の複合管状胞状腺

ウ.舌下腺
・位置
口腔底の粘膜下
・導管
舌下腺管という
←大舌下腺管(主腺)と小舌下腺管(副線)がある
各側多数
最前部の一本(大舌下腺管)は顎下腺管とともに舌下小丘に、他(小舌下腺管)は舌下ヒダに開口する
・構造
混合性の複合管状胞状腺

②小唾液腺(小口腔腺)
大きさは米粒大
多数ある
大部分は混合腺
口唇にあるものを口唇腺
舌にあるものを舌腺
口蓋にあるものを口蓋腺
頬にあるものを頬腺

(8)扁桃
口腔とその周囲にあるリンパ小節の集団(集合リンパ小節)をいう
・舌扁桃
舌根の背面
・口蓋扁桃
口蓋舌弓と口蓋咽頭弓の間
・咽頭扁頭
咽頭鼻部の後壁
・耳管扁桃
耳管咽頭口の開口部(咽頭鼻部外側壁)

これら三つの扁桃は、口峡、咽頭を輪状に取り巻くので、合わせてリンパ咽頭輪(ワルダイエルの咽頭輪または扁桃輪)という

2)咽頭
①位置(p195、p200)
頭蓋底から第⑥頚椎の高さまで
鼻腔、口腔、喉頭の後ろにある
②形態
上方の広いろうと型
③区分
内腔を咽頭腔という
鼻部、口部、喉頭部に分ける
ア.鼻部
鼻腔の後ろにある
鼻腔へは一対の後鼻孔へ続く
頭蓋底の部を咽頭円蓋という
外側壁、下鼻道の後ろに耳管咽頭口があり耳管を経て鼓室に続く
後壁に咽頭扁桃がある
イ.口部
口腔の後ろにあたる
口腔へは口峡へ続く
ウ.喉頭部
喉頭の後ろにあたる
喉頭へは喉頭口で続く
下は食道に続く
④構造
後壁と外側壁は厚く、約5ミリメートル
粘膜、筋層、外膜の3層構造
ア.粘膜
・鼻部では粘膜上皮は繊毛上皮
線毛の運動は外鼻孔の方へ向かう
・口部、喉頭部では粘膜上皮は重層扁平上皮
・粘液性の咽頭腺がある
イ.筋層
・すべて横紋筋(不随意筋)
・周囲の骨より起こる
・縦走する挙筋群
☆茎突咽頭筋、口蓋咽頭筋
・横走する収縮筋群
☆上咽頭収縮筋(頭咽頭筋)、中咽頭収縮筋(舌骨咽頭筋)、下咽頭収縮筋(喉頭咽頭筋)
ウ.外膜
周囲の器官と移動性に結合

3)食道
①位置
第6系対の高さで咽頭より続き、脊柱の前、気管と心臓の後をくだり、次第に左にかたよりながら横隔膜の食道裂孔を通り、第11胸椎の前左側で胃に続く
②形態
・前後から圧平された管状
・長さは約25センチ
・狭窄部(生理的狭窄部)が3箇所ある(重要)
いずれも癌の好発部位である
*食道起始部(輪状軟骨狭窄部):第6頚椎の高さ
*気管分岐部(大動脈狭窄部) :第4、5胸椎の高さ、大動脈弓の後ろ
*横隔膜貫通部(横隔膜狭窄部):第10、11胸椎の高さ
⑤区分
頚部、頬部、腹部に区分
・頚部とk上部の境
胸骨の上縁
・胸部と腹部の境
食道裂孔
⑥構造
粘膜、筋層、外膜よりなる
ア.粘膜
粘膜上皮は重層扁平上皮
縦に走るヒダがある
粘液性の食道腺がある
イ.筋層
・上部は横紋筋、下部は平滑筋よりなる(重要)
・中央部は横紋筋から平滑筋に移行する(移行部では二種類の筋が混在している)
・咽頭筋および食動筋の横紋筋は、自律神経支配で、不随意筋である
(内臓筋は普通平滑筋だが、咽頭と食道の筋だけが横紋筋)
・二層よりなり、内走のものは輪走し、外層のものは縦走する
ウ.外膜
周囲の気管と移動性に結合する

4)胃
①位置
第11胸椎の前左側で食道より続き、下は第1腰椎の前右側で小腸(十二指腸)に続く
胃の4分の3は左下肋部に、4分の1は上胃部(心窩部)にある
??上胃部?
②形状
胃は鉤状、または牛角状をていする
③容量
1~1.5リットル
④区分
胃体と幽門部
・胃体:中央の広い部
・幽門部:幽門前提という、胃体より続く細い部。幽門の手前3センチまで
・小弯:胃の上縁(内側)
・大弯:胃の下縁(外側)
・胃角(角切痕):小弯で急角度に曲がる部
ア.胃体
・胃底:胃体のうちで左上方に膨らむ部
・噴門:食道よいr続く部
・食道噴門角:食道緒と胃底の間で急角度に曲がる部
イ.幽門部
・幽門:小腸に続く部
⑤他の臓器との関係
・前壁
中央部は前腹壁に、右上部は肝臓に、左上部は横隔膜を隔てて心臓に接する
・後壁
膵臓と左腎臓に接する
・胃底
脾臓と横隔膜に接する
・大弯
横行結腸に接する
⑥構造(p204)
粘膜、筋層、漿膜
ア.粘膜
・粘膜上皮は単層円柱上皮
・胃粘膜ヒダ(長い縦ヒダと短い横ヒダ)がある
・表面は直径2~3ミリメートルの胃小区という隆起をなし、ここに胃小窩という多数のくぼみがあり、一個の胃小窩につき胃腺が2~4個開口する
a.胃腺
★胃腺の細胞
主細胞、粘液細胞、傍細胞(塩酸)
・胃底腺(固有胃腺)
位置:胃の全域にあるが、胃体に多い
構造:単一管状腺
作用:胃液を分泌する
主細胞はペプシノゲンを分泌
傍細胞(壁細胞はHCl(塩酸)を分泌
副細胞はムチン(粘液)を分泌

・幽門腺
位置:幽門部のみに分布
構造:単一管状胞状腺
作用:アルカリ性粘液を分泌する(作用は塩酸の中和)
胃底腺の副細胞に似る一種類の細胞よりなる。
★幽門腺の開口部付近にG細胞と呼ばれる内分泌細胞が散在し、塩酸の分泌を促すガストリンというホルモンを分泌する

b.幽門括約筋
幽門括約筋の部では、粘膜は隆起し、筋とともに幽門弁を作る

☆c.噴門腺(上下噴門腺)
上噴門腺は30~40%の成人に欠如している
下噴門腺は食道の最下部にある

イ.筋層
平滑筋よりなり
三層よりなり、内層のものは斜走し、中層のものは輪走し、外層のものは縦走(内斜中輪外縦)
輪走する筋は、幽門で発達して幽門括約筋となる

ウ.漿膜
腹膜の一部である
胃の全表面を覆う
前壁と後壁を覆ったものが、小弯で合して小網の肝胃間膜となり肝臓に達し、これを覆う
★小網と大網
小網は、左は肝胃間膜、右は肝十二指腸間膜となる
前壁と後壁を覆った物が大弯で合して大網となり
前掛けのように前腹壁後面に垂れ下がった後、横行結腸に達しこれを覆う

5)小腸
(1)位置
第一腰椎の前右側で、胃より続き腹腔内を迂曲した後、右腸骨窩で大腸に続く
(2)長さ
約6メートル
(3)区分
十二指腸、空腸、回腸
①十二指腸
ア.長さ
25センチメートル(食道と同じ)
イ.太さ
4~6センチメートル
ウ.区分
上部、下行部、下部
・上部
第一腰椎の前右側で胃の幽門より続き、少し後ろに走った後、同じ高さで下行部に続く
・下行部
下方に走り第3腰椎の前右側で下部に続く
・下部
左上方に走ったのち、第2腰椎の前左側で空腸に続く

上部が下行部に移行する弯曲部を上十二指腸曲
下行部が下部に移行する弯曲部をした十二指腸曲
下部が空腸に移行する弯曲部を十二指腸空腸曲

エ.大十二指腸乳頭、小十二指腸乳頭
・大十二指腸乳頭は下行部後壁左側の隆起で、膵管と総胆管が合して開口する
ここには、輪走する平滑筋が発達して、オッディの括約筋があり、膵液・胆汁の流れを調節する
・小十二指腸乳頭は大十二指腸乳頭の2~3センチメートル上にある小さな隆起で、副膵管が開口する

②空腸
十二指腸を除く、小腸の始めの5分の2を占め、腹腔の左上部を占める

③回腸
十二指腸を除く、小腸の終わりの5分の3を占め、腹腔の右下部を占める
空腸と回腸の境ははっきりしない

(5)構造
粘膜、筋層、漿膜または外膜
①粘膜
・粘膜上皮は単層円柱上皮である
・輪状ヒダがある。これは、小腸の長軸と直角方向にあり、粘膜全体のヒダである
十二指腸では下方に行くほど増加し、空腸上部で最も発達し、回腸では小さく不規則となり、回腸末端では消失する(重要)
・(重要)絨毛(腸絨毛)がある
長さは0.5~1.2ミリメートルの小さな突起で、粘膜上皮と粘膜固有層よりなる
小腸全体にわたって存在する
絨毛間に小さな孔があり、ここに十二指腸腺、腸腺が開口する
・輪状ヒダと腸絨毛の働き
内容物の流れを遅くする
吸収面積を広げる
・小腸の全表面積は200平方メートル
・腸絨毛の血管とリンパ管
血管は表面をかご状に走る
リンパ管は中央に入り込み、中心乳糜腔
???

ア.十二指腸腺(ブルンネル腺)
十二指腸のみにある
複合管状腺
幽門腺に似る
腸液を分泌

イ.腸腺(リーベルキューン腺)
小腸全体にある
単一管状腺
腸液を分泌する

ウ.杯細胞
杯細胞があり、粘液を分泌する
エ(重要).リンパ小節がある(重要)
空腸のものは孤立リンパ小節で、大きさはゴマ粒大である
回腸のものは集合リンパ小節で、大きさは幅1~2センチメートル、長さ2~4センチメートルである
回腸下部に多い
集合リンパ小節をパイエル板という

②筋層
・平滑筋よりなる
・二層よりなり、内走のものは輪走し、外走のものは縦走する

③漿膜または外膜
・腹膜の一部である
・十二指腸の後面は外膜により後腹壁に固定され、前面は漿膜が覆う
・空腸、回腸は全表面を漿膜が覆い、その続きが腸間膜となって空腸・回腸を後腹壁から吊り下げる
腸間膜の中は血管・リンパ管・神経の通路となる

6)大腸
(1)位置
右腸骨窩で小腸より続き、腹腔内を一周したのち尾骨下端前面で肛門となって終わる
(2)長さ
1.6メートル
(3)区分
盲腸、結腸、直腸の三つに分ける
結腸はさらに、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸に分けられる

①盲腸
回盲口より下の部
ア.回盲口
回盲弁口ともいう
回腸が盲腸に移行する部で、ここに回盲弁がある
・回盲弁の構造(p208)
回腸壁と盲腸壁が合して弁となる

イ.虫垂
盲腸の後内側壁から下方へでる袋状の部
長さ7センチメートル前後
太さ6ミリ前後
盲腸に開口する部には虫垂弁がある
虫垂の壁にはリンパ小節が多く集合し、特に若い人ではリンパ球や抗体の産生がさかんである
時に過敏となり、炎症を起こし虫垂炎となる
ウ.体表から見た回盲口と虫垂の開口部の位置
・回盲口:臍と右上前腸骨棘を結んだ線「モンロー線」の中点「マックバーネ点」
・虫垂の開口部:左右の上前腸骨棘を結んだ線の右3分の1の点「ランツ点」

②結腸
ア.上行結腸
回盲口から右結腸曲まで
右結腸曲は肝臓の下面にあたる
イ.横行結腸
右結腸曲から左結腸曲まで
胃の大弯に沿い、横走する
左結腸曲は脾臓の下面にあたる
ウ.下行結腸
左結腸曲から左腸骨稜の高さまで
エ.S状結腸
左腸骨稜の高さから、第3仙椎上縁の高さまで

③直腸
ア.位置
第3仙椎上縁の高さから尾骨下端前面まで
イ.長さ
20センチ
ウ.膨大部
肛門の上部でやや膨らむ部を膨大部という

(4)構造
粘膜、筋層、漿膜または外膜
①粘膜
・粘膜上皮は単層円柱上皮
ただし、直腸下部では縦走扁平上皮
・腸腺や孤立リンパ小節はあるが、腸絨毛はない
・杯細胞があり(多い)、粘液を分泌する
・直腸の膨大部では、縦に走るヒダがある。これを肛門柱という
・筋層とともに半月ヒダを作る
②筋層
・平滑筋よりなる
・二層よりなり、内層のものは輪走し外層のものは縦走する
・輪走する筋は肛門で発達して内肛門括約筋となる
その外側には横紋筋性の外肛門括約筋がある
☆内肛門括約筋」自律神経支配(不随意筋)
臥位肛門括約筋:体性神経(陰部神経)支配(随意筋)
・縦走する筋は、結腸で発達して幅1センチの3本の結腸ヒモとなる
結腸紐によって結腸壁は縦に縮められ、外面では結腸膨起、内面では半月ヒダとなる
・結腸ヒモの分類
大網ヒモ(前):大網がつく
間膜ヒモ(上):甌江結腸間膜、S状結腸間膜がつく
自由ヒモ(後):何もつかない

③漿膜または外膜
・漿膜は腹膜の一部である
・盲腸、上行結腸、下行結腸の後面は外膜により後腹壁に固定され、前面は漿膜が覆う
・直腸は前面上部のみ漿膜が覆い、他の大部分は外膜により骨盤壁、周囲の器官に結合する(直腸はほぼ腹膜後器官といっていい)
・横行結腸、S状けっちょうは全表面を漿膜が覆い、この続きが、横行結腸間膜、S状結腸間膜となって横行結腸、S状結腸を後腹壁から吊り下げる
これらの結腸間膜の中は、血管、リンパ管、神経の通路となる
・漿膜は結腸ヒモの部でふくれ、この中に脂肪を入れる。これを腹膜垂という(脂肪を入れる小嚢)

7)肝臓
(1)位置
腹腔内。横隔膜の下面に切歯、右下肋部から左下肋部にかけてある
左端は胃の小弯に接する
(2)形態
不正楔状
右端は厚く、左端は薄い
後縁は丸く前縁はとがる
(3)大きさ
左右20センチ
前後:1センチ
高さ:15センチ
(4)重さ
人体中最大の実質性臓器
約1200グラム、体重の50分の1
新生児では20分の1
(5)体積
1000cc
(6)色
暗赤褐色
(7)区分
前縁、後縁、上面(横隔面)、下面(臓側面)
①前縁
②後縁
大静脈溝があり、下大静脈が入る
③上面
ドーム状を呈する
正中に肝鎌状間膜付着部があり、これが後方で左右に広がり、その間は横隔膜に癒着する(無漿膜野)
このため、呼吸により横隔膜とともに肝臓も上下する
肝鎌状間膜は腹膜の一部で、横隔膜下面を覆った後、肝臓上面を覆う
肝鎌状間膜は横隔膜と肝臓の間にある
・肝鎌状間膜
横隔膜下面と肝臓上面の間にある腹膜のヒダで、正中線に一致して前後に走り、肝臓を右葉と左葉に分ける
矢状面で鎌状を呈する
・肝冠状間膜
横隔膜下面と肝臓後部上面との間にある腹膜のヒダで、肝鎌状間膜が肝臓後部で左右に離解したもの
前頭面で冠状をていする
・三角靭帯(三角間膜)
横隔膜下面と肝臓後部右縁・左縁の間にある腹膜のヒダで、肝冠状間膜の両端にある
④下面(臓側面)
・肝門
中央やや左よりのくぼみ。血管(門脈、固有肝動脈)、リンパ管、肝管、神経が出入りする
・肝門の前、右のくぼみを胆嚢窩といい、胆嚢が入る
・肝門の前、左のくぼみを肝円索裂といい、肝円索が入る
肝円索裂は正中にある
・肝門の後ろ、右の後ろを大静脈溝といい、下大静脈が入る
・肝門の後ろ、左のくぼみを静脈管索部といい、静脈管索がはいる

(8)右葉と左葉
正中、すなわち上面では肝鎌状間膜付着部、下面では肝円索裂より右を右葉、左を左葉という
右葉は全体の4分の3、左葉は全体の4分の1を占める
右葉のうちで、肝門の前を方形葉、後ろを尾状葉という

(9)構造(p213)
複合管状腺である(肝臓は外分泌腺)
肝被膜、肝細胞、胆管、血管よりなる
①肝被膜
・疎性結合組織よりなる
・表面を覆った後、肝門より内部に入り、小葉間結合組織となって、実質を肝小葉にくぎる
この小葉間結合組織をグリソン鞘ともいう
・小葉間結合組織の中を、門脈の枝である小葉間静脈、固有肝動脈の枝である小葉間動脈、胆管の源である小葉間胆管が通る
・肝小葉の大きさ、形
直径1ミリメートル
六角形の柱状をていする
・肝小葉の中央に、中心静脈がある

②肝細胞
立方形または多面体の上皮細胞で、列をなして並び、肝細胞索となり中心静脈周囲に放射状に配列する。
肝細胞索の間に洞様毛細血管(類洞)という内腔の広い毛細血管が走る
★クッペルの星細胞(クッパー細胞)
洞様毛細血管の壁に散在する強力な食作用を持った細胞
★肝小葉をとりまく構造
断面は六角形で、中心に中心静脈がはいり、6つの角には、小葉冠静脈・動脈・小葉肝胆管が流れる。
各角から中心静脈に向かって洞様毛細血管が走り、中心静脈と小葉冠動静脈・胆管を結ぶ
血液は小葉間動静脈から中心静脈に向かって流れる
胆管へは洞様毛細血管から、作られた胆汁が流れ出す

③胆管
肝細胞が分泌した胆汁を運ぶ
肝細胞索の間で毛細胆管として起こり、次第に合して小葉間結合組織の中では小葉肝胆管となり、次第に合して二本の肝管となり肝門を出る
肝管は肝門を出たのち、合して一本の総肝管
④血管(p215の模式図)
・機能血管:門脈(門静脈)
栄養血管:固有肝動脈
・門脈と固有肝動脈の血液を集める血管として、肝静脈がある
☆洞様毛細血管→中心静脈→肝静脈
ア.門脈(門静脈)
1本
肝門より入り次第に枝分かれして小葉間結合組織の中で小葉間静脈となり、肝小葉に達し洞様毛細血管に入って中心静脈に注ぐ
イ.固有肝動脈
1本
肝門より入り、次第に枝分かれして小葉間結合組織の中では小葉間動脈となり、肝小葉に達し洞様毛細血管に入って中心静脈に注ぐ
ウ.肝静脈
数本(普通は3本)
中心静脈より起こり、次第に合して肝臓後縁を貫き、下大静脈に入る
☆肝臓血管の流れ
門脈 →小葉間静脈→ 洞様毛細血管→中心静脈→肝静脈→下大静脈
固有肝動脈→小葉間動脈→↑

8)胆嚢
(1)位置
肝臓の胆嚢窩
(2)形態
茄子型
(3)大きさ
およそ母指大
長さ:8センチ
幅 :最大で3センチ
(4)区分
前から順に、底、体、頚
頚は胆嚢管に続く
(5)色
濃緑色
(6)体表から見た位置
右腹直筋外側縁と肋骨弓が交わるところ
(7)内面のヒダ
縦横に走る細いヒダが格子状をていし、伸展しても消失しない
(8)構造
粘膜、筋層、漿膜または外膜
ア.粘膜
粘膜上皮は単層円柱上皮
イ.筋層
1層の平滑筋よりなる
底、体では斜走または縦走する
頚では輪走する
胆嚢収縮(p217)
☆胆のうを収縮させるホルモン=コレシストキニン
ウ.漿膜または外膜
下面は漿膜が覆う
上面は肝臓の胆嚢窩で外膜と接する
(9)胆路
毛細胆管→小葉肝胆管→肝管→総肝管→
胆嚢管→→胆嚢→胆嚢管→総胆管→膵管と合して大十二指腸乳頭に開口する

10)膵臓
(1)位置
胃の後ろ。第1・2腰椎の高さ
後腹壁に癒着する(腹膜後器官)
(2)形
三角柱状、S字状に弯曲する
(3)大きさ
長さ:15センチメートル
幅:3~5センチメートル
厚さ:2センチメートル
(4)色
帯紅白色(赤みを帯びた白色)
(5)重さ
60~70グラム
(6)区分
膵頭、膵体、膵尾の三つに分ける
①膵頭
十二指腸の上部、下行部、下部の弯曲の中に入る
右側
②膵体
膵頭に続く部
③膵尾
膵体に続く部で、左の腎臓の前から脾臓の下面に達する

(7)構造
被膜と実質からなる
①被膜
結合組織からなり。表面を覆った後内部に入り内部を小葉にわける
②実質
外分泌部と内分泌部からなる
ア.外分泌部
・膵液を分泌する
耳下腺に似る
・漿液性の複合胞状腺
・消化酵素を含む渦流を細胞質にいっぱい満たした分泌細胞が、一層にならび、腺腔を球状に囲む
この分泌細胞の集まりが分枝した枝の先に連結し、ぶどうの房を思わせる
・導管は二本ある(膵管と副膵管)
膵管は膵尾、膵体、膵頭からす胃液を集め、総胆管とともに大十二指腸乳頭に開口する
・副膵管は膵頭から膵液を集め、小十二指腸乳頭に開口する

イ.内分泌部
内分泌部=ランゲルハンス島(膵島)
・大きさ、0.5ミリメートルに満たない
多くは100から200マイクロメーターの球形の細胞塊である
・膵頭、膵体に少なく、膵尾に多い
・膵臓全体で約100万個ある
・分泌細胞は3種類
A(α)細胞:25%
…ブドウ糖を増加させる(血糖値をあげる)
B(β)細胞:70%
…インスリンを分泌(ブドウ糖を減少させる)
D(δ)細胞:約5%
…ソマトスタチンを分泌

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